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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十章
269/1022

《第268話》『平和と暴力』

「なっ、内密――ッ!?」

「うん、呉葉は悪い鬼なんかじゃないからね。だから、本部に伝える必要はないんだよ」

「っ、何が悪い鬼ではない、ですか――ッ! 妖怪などに良いも悪いもない、人間社会に被害をもたらす害獣! それが奴らであり、その鬼なのです!」


 彼、彼女? ううん、やっぱりどう言っていいわからないなぁ。ともかく、カオルさんは教えられたことに忠実であるだけでなく、実体験からもその発言をしているようだった。


「それともなんですか? あなたは、この妖怪に誘惑されたとでも?」

「んー、誘惑――ううん、そうであるとも言えるし、そうでないとも……うーん」

「どちらにせよ、人間にあだなす存在を擁護し守ろうとするあなたは、もはや平和維持継続室に在籍していること自体が不可解です。その鬼もろとも、本部へと連絡して――」


 僕は、隠し持っていた拳銃の引き金を引いた。


「――っ!!?」

「っ、夜貴!?」


 反応しきれなかったらしいカオルさんの肩に命中。この銃は狼山先輩のロッカーに適当に放り込まれていたモノだが、こっそり拝借していてよかった。

 ただ、やっぱり先輩と違ってうまく当てられない。こんなことなら、習っておくんだった。


「夜貴――? いったい、何を……?」

「うん? 見たまんま、撃ち殺そうとしたんだけど」

「つ、ついに、に、人間を、撃ちました、ね――?」

「うん、そうだね。平和のためには仕方無いよ」

「平、和――? 人間を、私を、不幸と恐怖に落とした妖怪を守って、何が平和だ――ッ」


 ズダァンと、再び拳銃の銃口が火を噴いた。


「そんな君の都合なんて、知ったことじゃないんだけど――」


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