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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十章
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《第260話》『絡みつく増悪』

「妖怪は滅ぼすべき絶対悪、であるに決まっているでしょう――! さあ、答えました! 早く爆発させなさい!」


 カオルさんの顔が、深く暗い憎悪に歪む。澄ました表情が思いだせない程、それは危機迫った様相を呈している。


「ふぅむ――」

「…………」

「足りぬ、な」

「は?」

「足りぬ、と言ったのだ。貴様の奥底から沸き立つ闇、その力ではまだ到底許容しえぬ暗き感情。まだあるのだろう?」

「――ッ!」


 ギリギリと奥歯を噛みしめている様子が、ここからでも見て取れた。見え隠れする影を指摘されたためか、ねめつけた瞳はそれだけで誰かを射殺せそうである。


「――夜貴」

「何?」

「今の時代、平和維持継続室の巨大さもあってか、少なくとも嬉々として命を弄ぶ程の極悪な妖怪は滅多におらぬ。妾の部下たちも、表立ってそこまでの行動に出ることは無い。せいぜい、道ですれ違った際に足をひっかけて転ばせるくらいだ」

「それがどうかしたの?」

「例外もいる、と言うことだ。生来の存在が、『人間を極端に害する』ことで成立する妖怪も、世の中にはいる」

「…………」

「古来より生きる妾にとっては珍しい話ではないが――あの類の瞳を、妾はよく知っている」


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