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《第254話》『魔王の中では「7」の脳ミソむき出しなアレが好きです』
「――っ、……?」
いつまで経っても身体を衝撃が襲わないため、僕は自らを反射的に庇った腕を退かし、薄目を開けた。
「フム、何とも派手な能力だな。妾は好きだぞ?」
「な――」
幻影呉葉が、前に拳をつきだして立っていた。
周囲が、何かの被害を受けた様子はなく。そして驚愕に目を見開いたカオルさんは、いったい何が起こったのかわからないと言った様子で立ち尽くし、そして鬼神は自身に満ち溢れた様子でその様を見物している。
「あなたは、一体――本当に、何者……?」
「フッ――良かろう、教えてやる」
幻影の呉葉は、その身の内からただの幻影とは思えぬほどの妖気を放ちながら、強者であると言う自信より溢れる笑みを浮かべた。
「妾は狂鬼姫。この国より古くから闇に連なる者を統べる――絶対無比の鬼神だ」




