《第248話》『爆炎の断罪人』
「人を害し、人ならざる者、道を踏み外した者を処分。それが、我々平和維持継続室の仕事では?」
「う、うん、間違っては――その、無いんだけど、ね?」
ぷすぷすと、焼け野原と化した山。全く、とんでもないことをしてくれたものである。
なお、ハブとマングースは煤で真っ黒になり、気を失いながらも普通に生きているようである。あの二人の生命力が強いのか、それとも「いなおずん」が思ったほど威力がないのか。
「では、イオナズンを唱えることに何の問題があると言うのでしょうか?」
「う、うーん――」
「邪悪なる者共に破滅の鉄槌を。それが我々であるはず。ですが、ここの事務所のぬる具合は何なのでしょう?」
「ううっ、返す言葉もない――」
実際、ウチの事務所は他のところに比べて退治や暗殺という事態に陥る事案は少なめだ。これは僕達が担当する相手が平和主義というわけではなく、本部そのモノが過激な中、比較的穏やかな方法で対応しようとしているため、相対的にそうなっているのである。
鬼神・狂鬼姫である呉葉がひっそりながらもそこそこ平和な暮らしを送っているのも、最初に対応することになったのがウチの事務所であったためだ。他が担当したらどうなるか――それはあまり考えたくはない。
――このヒト、どうしよ。




