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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第十章
248/1022

《第247話》『天敵と抗う者、時々爆発』

「オウオウオウオウオウオウオウ! そんなんだからテメェはいつも長いんだ!」

「お前こそいつもムダにふかふかしやがって、そんなんでオイシイ想いできるとおもってんじゃねーぞ!」


 僕とカオルさんは、山奥のその場所へと足を踏み入れる。すると、案の定いつもの二人、スキンヘッドの大男と毛皮のコートを着たやせ形長身の男が言い争っていた。


「あれは?」

「今は人間の姿だけど、マングースとハブの妖怪だね」

「なんとなく奇妙な語感ではありませんか?」

「事実なんだからそう言われても――。それはともかく、今日はあの二人を止めよう」

「イオナズンですね?」

「そんな物騒なことは今日はしないよ! 二人を宥めるんだよ!」


 なお、この二匹。何度も何度も今日のように僕らにお世話になっていた。いつもいつもくだらないことで喧嘩をしては、周囲に迷惑をかけている。

 誰かが怪我をすることこそないモノの、時には人間社会にまで繰り出し、これまた迷惑極まりない方法で勝負をするために、人間側としても毎度毎度止めないわけにはいかない。

 ちなみに、この二人は人間に対しては特に何も思っていない様子。基本的には無害なんだけどなぁ。


「ちょっとちょっと、今日はどうして喧嘩なんかを?」

「あァッ!? ――なんだ、てめぇか。なんか今日はオマケもいるみてぇだが、そいつも聞いてくれよ」

「おいコラ蛇ヤロウコラ、何俺が悪いことをした見てぇなノリで話し始めてんだコラ」

「俺が悪いわけねぇだろうが毛むくじゃらヤロウ!」

「んだとテメコラニョロニョロコラ!」

「もーっ! やめてって!」


 コラコラうるさくて理由すらも、なかなか聞くことができないのはいつものこと。毎度毎度、スタートラインに立つことすら苦労するんだよなぁ。


「埒があきませんね」

「一度火が付くとなかなか消えないんだよ――」

「分かりました。イオナズン」

「えっ」


 ――山肌が吹き飛んだ。


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