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《第246話》『新人と初任務』
「はい、お仕事ですか?」
「うん。と言っても、話し合いで諍いを収めに行くだけだけど」
新人さん。名前を、カオル・クルチャトフと言うらしい。彼? 彼女? かははっきりしないが、僕らの仕事のやり方を知ってもらうためにも、今日は僕の仕事についてきてもらう。
「大変失礼ですが、されていたんですねお仕事」
「あはは、よく言われる」
目立つ部分が対人外相手の戦闘なだけに、事務仕事は目立たないために、そう思ったりしたのだろうか? なんだか、根っからの武闘派みたいだし。
だけど、今回の仕事も戦いに行くわけではない。争っている場を収めに行くだけだ。もしかしたら荒事になるかもしれないけど、それが目的ではない。
だから――、
「それで、諍いを収めに行くんでしたよね?」
「うん」
「イオナズンの出番ですね?」
「絶対やめてね?」
そんな絶大威力の異能力は、絶対禁止である。




