《第245話》『いなおずん? イオナズン!』
「なるほど、それで漫画みたいなアフロなのか。ううむ、これはこれで――」
「感心してる場合じゃないよォ。おかげで事務所のビルがまたもや倒壊して」
新人さんの「イオナズン」とやらのせいで、今日は散々な目に合った。それをこうして呉葉に話しているのだが――なぜだか、彼女の目は妙に輝きだしていた。
「そやつ、是非とも戦力になる! ここは喜んでおくべきだぞ!」
「戦力うんぬん以前に、いきなり爆破するヒトとなんか仕事したくないよ――! と言うか、なんでそんなに嬉しそうなのさ?」
「だってイオナズンだぞ! イオナズンなんだぞ!? 魔王も主力で使うんだぞ!」
「魔王って何のことなんだよ――大体、『いなおずん』って強いの?」
「『イオナズン』だ馬鹿者! ――まあ確かに、最近は一つ上の段階が出来てしまったが、存在はともかく、アレは名前はあまり好きじゃない。あ、だがマータ系はらしい名前っぽくて好きだぞ」
「僕には何の話なのかさっぱり見当がつかない――」
とりあえず、なんとなく「いなおずん」と言うのがゲームの話だと言うのは大体理解できた。とりあえず爆発する、と言うことで間違いはないみたい。
「そうだな、例えば雑魚掃討が必要になった時――があるかどうかは分からんが、そう言う時に試しにそいつにイオナズンを撃たせてみるといい」
「は、はぁ――」
「中盤の雑魚程度ならば、一発か瀕死まで持ち込めるハズだ」
「現実とゲームの区別はつけてね――!」




