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《第236話》『世にも珍しいロケット推進力』
「それはそれ、これはこれとして、だ」
「何がそれでどれがこれなのか待ったく分からないけど、何?」
「夜貴、実はお前空を飛べるだろう?」
「え、ええっと――?」
「む? おっと、端折りすぎたか。別に、羽ばたけとは言っておらん。ただ――」
「ただ?」
呉葉は、僕の鼻をつんとつついた。
「正直、鼻血で宙に浮いたりできると思うのだ」
「うん、端折らなくてもわからないね」
「しかしだな、あの噴出量を見てしまうと、ペットボトルロケットをどうしても思いだしてしまってだな」
「それはあまりにファンタジーすぎじゃないかな!? やめてよ!? 突然の淫行!」
「淫行とは過分に言ってくれるな!? やったりせんぞ、出血多量で死なれとうないからな!」
「呉葉――」
「とか言いつつ、やっぱり反応が面白いからやりたくなってしまうのだが」
「呉葉ァ!」




