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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第九章
234/1022

《第233話》『車に使った代金を見たらいつの間にか――by呉葉』

「夜貴、妾をブッてくれ!!」

「ワケ分からないのはいつものことだけど今日もまた絶好調だね!?」


 そんな、普段通り狂った鬼神は、手を大きく広げて目をつぶりながら、僕が叩くのを待っているようだった。――ちょっとかわいい。


「待ってよもう。一体全体どうしたのさ? 僕はDVに走るつもりはないよ?」

「これはDVではない! 妾が受けるべき、当然の報いなのだッ!」

「とりあえず、落ち着いて? ね?」


 僕は呉葉の頭を優しくポンポンしてあげるが、様子が変わるカンジは無い。


「ひとまず、何をそんなに嘆いてるのか、効かないと僕としてもどうしようもないよ」

「う――正直言って、詳しく話すわけにはいかないのだが……」

「いかないんだ――」

「要約すると、これが無ければ子供の大学までの養育費、その全てを賄うことができたのだ――ッ!」


 えーっと、ですね? うん? うーん――そ、そもそも、子供とかはまだ居ないんだけど。

 だが、その損失はかなり大きなものだろう。ちらりと聞いた話だと、一般的には子供を育てるのに必要になってくるお金と言うのは、3000万程度。はっきり言ってシャレにならない。と言うか、何? 実は借金まみれなのウチ――?

 だが、彼女はどうにも勝手に一人で話を盛り上げてしまうところもある。そのため、これだけ大騒ぎしておきながら、実はたいしたことが無かった、なんて言うことも結構多い。

 それに、呉葉ともあろう鬼神が、安易にそんなポカは――まあ、多分しない、と、思う。うん、思う。


「よ、夜貴――?」


 なんにせよ、いろんなところが穴だらけ。いつにも増して、話が不透明。これだけで叩こうとか、いや、そもそも何を告白されても叩くつもりなんて無いんだけど。

 一応、可能性としてはしょっちゅう修理に出してる車だけど、150万の車を修理に何度と出したところで、いくらなんでも。ねぇ――?

 だから僕は、


「えなっ、何を――ふがっ」


 さしあたって、携帯電話充電機のプラグを彼女の鼻に刺し込んでおいた。


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