《第230話》『永遠の幼子』
「ぬははははっ! 妾の三連勝だっ!」
「…………」
呉葉の嬉しそうな声を聞いてリビングへと行くと、そこには相変わらずの鬼神と、零坐さんのお孫さん、イヴちゃんがテレビの前でそれぞれコントローラーを握っていた。
「何やってるの?」
「見ればわかるだろう! 赤子の手をひねるかのごとく、対戦アクションゲームで遊んでやっているのだ」
「さっきのたたかいにかんしていえば、ボクのミスがなければキミはまけていたがね」
「くっくっく、そう思うならもう一度試してみるがいい――!」
再び、ゲーム――戦いが始まった。二人のキャラが飛び道具で牽制しながら接近していったかと思いきや、近づいて殴り合いを始める。
「楽しそうだね」
「こどもとあそんでやるのも、おとなのやくめだからね」
「ごぶぅ!?」
あ、呉葉が噴き出した隙にキャラがふっとばされた。
「っ、ついこの間ヨチヨチ歩きしていた子供が何を――っ!」
「あはは――子供、ね……」
僕は小柄な身体で見た目は女の子にしか見えない上に今まさに必死にコントローラーを握っている妻、兼、鬼神を見る。
「イヴちゃん、面倒をよろしくね?」
「ああ、まかせたまえ」
「お前はお前で否定をせんかァッ!!?」
あ、呉葉のキャラがイヴちゃんのキャラに場外まで飛ばされた。




