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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第八章
230/1022

《第229話》『音が鳴っている最中に電源を切れば助かることも』

「おはよー」

「うぅむ、おは、よう――」

「うわぁ目ェ真っ赤!?」


 朝。寝室からリビングへと入ると、テレビとゲーム機の前でまさに鬼神、悪魔の形相とも言うべき顔の呉葉が鎮座していた。


「――だけじゃない、ヒドイ隈が出来てるよ?」

「う、む――夜通し、やっていたからな。ド○クエの、ナンバリングタイトルを連続全制覇を目指しているのだ」

「ええっと、代表的なRPGの一つだったっけ――?」

「二日前に倒したベホマ破壊神、は、強敵だった、ぞ」


 1~10まで出ている、と言う事だけは知っている。と言うか、一昨日からずっと、ゲームをし続けている気がする。食事やお風呂を除き、コントローラーを持ちつつテレビを占領しているのだ。

 だが、昨日の朝は今日のようなことになどなっていなかった。流石に限界が来たのかもしれない。


「い、一旦ちゃんと眠ったら――?」

「そ、そんなことをしては、連続制覇にならんでは、ないか――!」

「それよりも健康の方が大切だよ――!」

「鬼神には、例え己の身を犠牲にしてでも、成さねばならぬことがあるのだ――!」

「もっと大きなことで身を削ってよ! ――とりあえず、朝食は食べようよ」

「う、む――腹が減っては、戦は、できん、からな……」


 呉葉はゲームを記録して電源を切り中断。それから朝食をいただいて、一睡することもなく再び赤、黄、青、緑のボタンのついたコントローラーを持つ。


 でんでろでんでろでんでろでんでろ♪ でろん♪ でろん♪


「お、おおおお、おい――?」

「どしたの?」


 呉葉は口を半開きにしたまま、画面を見つめている。

 僕も、彼女の見つめているそれに目を向ける。


【おきのどくですが ぼうけんのしょ1は きえてしまいました】



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