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《第228話》『望み、遂に叶わず!』
「花見ッ!」
アタシは僅か一日で元に戻った事務所、その事務室の扉を開けはなった。
「まだ言ってんのかお前――」
「アタシは諦めたりしないよ狼山! 今日こそ邪魔する奴はいないハズ!」
コーハイはふうりの化けたものじゃないし、そのふうりもアタシへの怨みからの嫌がらせをしてくることもなくなった! 酒盛り、酒盛りだ!
「あ、ディア先輩」
「お、コーハイ! お前も呉葉ちんと一緒に花見にいこうじぇえ?」
「いや、その――言いづらいんですけど……両手出してください」
「えっ」
アタシの広げた両手に乗せられる、書類の束。
「昨日崩れた事務所関連の、始末書です」
「あれやったの呉葉ちんだよなァッ!!?」
呉葉ちんこと狂鬼姫は退治されたことになっている。そのため、彼女の存在を始末書上に明らかにさせるわけにはいかない。そう言うことなのだろう。
なんにせよ、だ。
「すみません、お花見は無理です」
「言われなくてもわかってるよォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーッッ!!」




