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《第222話》『酒を求める者の叫び』
「――と言うワケで連れてきてしまっただべが、よくよく考えたら信用できる保証はこれっぽっちもないっぺ……」
「だぁいじょうぶだって! アタシに任せときな!」
そりゃあまあ、アンタの親父を飲んだくれにしてしまった原因はアタシにあるわけで、そんな奴を信用しろと言うのも無茶かもしれないけど。
そんなワケで、アタシはふうりにつれられ彼女らが住んでいる森の奥までやってきていた。
「ここがおらの家だべ」
「へえ、意外といい家に住んでるじゃないか」
時代を感じる木造だが、土台から何から屋根まで、少しも古さを感じさせない二階建てで、大地にしっかりと立っている。
――見てて悲しくなってきた。なんでアタシの家はボロイマンションなんだ。
「う~~~~~~~~~~~~~~~~い、ふうりぃ~~~~、酒ぇ~~~~~~~~~!」
そんな、勝手に一人でナイーブな気分になっていた時だった。家の奥から、何とも親近感を覚える唸り声が響いてきた。
そして、アレはかなりヤバい時の声だ。
「いくよっ!」
アタシは、ふうりと共に家の中へと駆けこんだ。




