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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第八章
221/1022

《第220話》『考えなしに見えて、割と計算して破壊している。嘘ではないぞ?』

「はらほれひろはれぇ~……」

「見つけた! よかった、無事だ!」

「アタシ達は無事じゃないよ!」


 と言うか、コーハイも無事でなくなる可能性もあったのではなかろうか。冷静に見えて、とんでもなく焦っていたのがよく分かる。勘弁してほしい。


 少し遅れて、瓦礫の中から皆這いだしてくる。この全壊具合で、よく無事だったと喜ばしい気持ちでいっぱいだ。掃除のおばちゃんも全くの無傷のようだ。


「――さて、」


 アタシはノびているタヌキ幼女を拾い上げる。


「おーい、大丈夫かー?」

「うぅ~ん――……ハッ!? 離せっ!」


 タヌキ幼女はアタシの腕にアクロバティックなキックをかますと、突き立っている大きな瓦礫へと身を隠した。


「とりあえず、アンタから見りゃアタシは加害者で、しかもそれを覚えてないと来れば腹も立つかもしれない。けど、分かっていない相手に訴えたところで、虚しいとは思わないかい?」

「…………」


 タヌキ幼女はじっとこちらを見つめてくる。その黒い瞳の奥で何を考えているか、その心を推し量ることは出来ない。

 だが、やがて――、


「おらのおとん、おとん、白徳利は――」


 その可愛らしい口が、言葉を紡ぎ始めた。


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