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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第八章
220/1022

《第219話》『天変地異』

「白徳利――?」


 聞き覚えのない名前をつきつけられ、アタシは思わず首をひねる。


「忘れたとは言わんぞ、この悪魔めっ! 貴様のせいで、貴様のせいでおとんは――ッ!」

「確かにアタシは半分悪魔だけど! 知らないよそんな名前のタヌキは!」


 これまで退治してきた奴らの名前を全て把握している、とまでは言えない。が、少なくともタヌキを切った覚えがないのは確かだ。


「ふむ、ここは『ディアのファンやめます』とでも言えばよいのか?」

「わけ分からんこと言ってかき回すのやめてくれない呉葉ちん!?」

「それはそれとしてだな、妾は夜貴が無事なのかどうかを知りたいのだ!」

「あ、おらが化けていた人間は床下です」

「夜貴―ッ!」

「あっ、馬鹿!?」


 呉葉ちんのグーパン一発。


 瞬く間に、事務所のビルは崩れ去った。


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