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《第217話》『希望にどろろん』
「ふむ、やはりな」
「お、お前は一体――?」
アタシ達の目の前に、驚いて尻餅をついたその幼女。栗色で短めのくせ毛に、くりっとした黒目をしていて大変可愛らしく、黄土色のベストに赤茶色のスカートと言う落ち着いた色合いの衣服でも、活動的な雰囲気がにじみ出ている。
――だが、重要なのはそこではなく、
「いたたたた――よ、よりによって、おらのしっぽを引っ張るなど……ッ」
頭の上には茶色い毛を生やしたふわふわ耳、そしてお尻にはやはり毛並みに包まれた茶色と黒のしましましっぽ。
「タヌキじゃないかい!?」
そう、コーハイだと思っていたのは、タヌキ妖怪の幼女が化けていた姿だったのだ。




