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《第214話》『異次元の同胞』
「えっ、ちょっ、呉葉!?」
「呉葉ちん――!」
呉葉ちんもあちら側だと思った矢先、まさかのこちら側に。もー、呉葉ちんも意地が悪いなぁ! だけど超許しちゃう!
「仕事終わってないんだけど!?」
「うむ、それは重々承知している」
「じゃあなんで――!」
コーハイは常識を疑う顔で呉葉ちんに問いかける。だけど、アタシはしっかりどんな返答があるのか予測できるよ。
「妾が行きたいからに決まっているではないか」
「それが当たり前みたいに言わないでよ!?」
やっぱりね! 呉葉ちん、アタシは信じてたよ! おお、心の友よ!
「と言うか君ねぇ、一応元は責任ある立場なんだから、そう言う仕事の大事さを理解しててよ!」
「いつも焚火の焚き付けにしてきたこの鬼神・狂鬼姫サマを舐めるでないわ!」
「サボるとかサボらないとかそう言う事件の話じゃなかったよ!?」
――流石呉葉ちん、アタシなんかとは次元が違ったわ。




