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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第八章
209/1022

《第208話》『これより花見酒大作戦を開始する! よ!』

「おっと、電話だ。ちょっと出てくる」

「はい。ちゃんと戻ってきてくださいね?」

「アタシをなんだと思ってるんだい――?」


 コーハイにそう返事して、アタシは部屋を出る。黙って作業しているところで、携帯で会話をするワケにはいかないからね。

 まあ、嘘なんだけどね! ――だが、他の皆をほっぽりだして花見に行くほどアタシも白状じゃない。これから、電話をかけるために。応援を呼ぶために部屋を出たのだ。


「さぁて、出てくれるかな?」


 該当する番号を探し当て、コールする。まあ、この時間なら何かをしている最中かもしれないが、かといって切迫しているようなことでもないはずだ。


『もしもし?』

「呉葉ちん!」


 よし。ノリのいい鬼神につながった。

 コーハイをまずは引き入れるために、まずは嫁さんを懐柔することにする。彼女をその気にさせ、強く言わせることができれば、少なくともあのコーハイは拒否しにくくなるはずだ。


「呉葉ちん、ちょっといいかい?」

『いや、駄目だ。今は忙しい』

「――? 一体どうしたんだい?」

『今、だな。掃除をしていたら、視界の隅に黒くて素早くカサカサ動くおぞましき魔物が、だな――』

「お、おう――」

『だから、もう少ししてからかけ直しでゃぎゃぁッッ――――…………グシャッ』

「えっ、ちょっ――」


 ものすごく嫌な音と共に、通話が途切れてしまった。携帯からは、「ツー、ツー」と言う妙に寂しくなる音が。


「――失敗、か」


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