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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第七章
204/1022

《第二百三話》『山無しオチ無し、けれども愛すべき平和と腐れ縁』

「み、見つけたぞ、諸悪の根源――ッ!」

「おお、てっきり気が付いていないのかと思ったぞ?」

「突然夜貴が隣から消えて、ついでに妖術の気配が残っておれば嫌でもわかるわ!」


 現在の呉葉、乱入。ついでに鳴狐のお供の付喪神もだ。


「な、なんじゃ!? 狂鬼姫が二人じゃと!?」

「――鳴狐、話聞いてた……?」

「むっ、夜貴に駄狐! いつの間に名前で呼びあう仲になったんじゃ!」

「余はこ奴の名を呼んではおらんぞえ!」

「ふふふ、それはもう、仲のよさそうにしておったぞ?」

「浮気だー!? 浮気だぞ夜貴ァ!? しかもこんなしょうもない狐が相手とは!」

「誤解! 誤解だよ!」

「くぅっ、なんと言うことだ――! やはりこの身体か、この貧相なボディがいかんのか!」


 頭を抱えうがーっと唸る呉葉。その隣で、狂鬼姫はそれはもうすごく楽し気に笑っている。


「鳴狐様、お怪我はありませぬか? あの人間に何かされたりしませぬでしたか?」

「うむ、余は何ともない。ただ――」

「ただ?」

「――いや、何でもない」

「おい鳴狐!? なんだその思わせぶりな言葉は!?」

「な、なんじゃ、騙くらかすことを得手とする余ではあるが、まだ何も言っておらぬぞえ!?」

「どうせ貴様が夜貴を誑かしたのだろう! 許さんぞ、この痴女め!」

「ほう、炎の弾を出したな! それは決闘の合図ととってよいのじゃろう? 今日こそ決着をつけてやるのじゃ!」

「もーっ! 二人とも落ち着いて!」


 僕は止めにかかるが、二人はやはり聞く耳持たなかった。


 ――だけど、


 以前ならそうは思えなかったであろうこの光景が、今はとても平和的に思えた。


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