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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第七章
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《第百九十九話》『起こったこと、その正体』

「まず、状況を整理しようよ」

「余も今そう言おうとしたところじゃ。よって、それは余の案となるのじゃ」

「整理するだけに案も何もないと思うけど――」

「とりあえず、じゃ。このような場所に立たされる直前まで、余はウキウキ気分で山を登っておった。すると突然、侍渺茫や狂鬼姫と離され、人間なぞと共に時を過ごすことになってしもうた。本当に突然のことで、何も感じなかったのう」

「僕が人間って言うだけで辛辣過ぎない!?」

「人間なぞ所詮はその程度、いうなれば味噌っかすみたいなものじゃからな。節分の時の雪辱、余は忘れておらぬぞえ?」

「アレは主に呉葉のせいだよ! ――ええっと、僕も同じような感じで、呉葉と並んで山を登っていた、だけかな」


 一応、呉葉の企みは伏せておく。多分関係ないし。


「整理した結果、ますますわからなくなったのじゃ」

「本当に突然だったからね――ううん、どうしよう。本当に、何も違和感は感じないの?」

「こうして探ってみてはいるが、どうにも余らに術をかけられた様子は感じられぬ。――いや、形跡自体は微量に残ってはおるようじゃが」

「えっ、あったの!?」

「あると言っても、余らに直接影響を及ぼした様子はないのじゃ。もし異空間なら周囲全て、飛ばされたのなら余らにあるはずじゃろう?」

「残ってるって、どんな感じ?」

「まあ、奇妙と言えば奇妙じゃが――そうじゃな、周囲の地面に点々と、と言ったところじゃろうか?」

「――っ!」


 僕はようやく、自分達の身に起こったことを理解した。


「飛ばされたのは僕らじゃない、呉葉達だよ!」


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