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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第七章
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《第百八十五話》『飛び火は避けられないみたいだ』

「呉葉ぁ、機嫌なおしてよぉ」

「ふん!」


 別に、あの九尾の狐の肢体に心奪われていたわけではない。ただ、一人の経験少ない男として、赤面することは止められなかった。だからと言って、それを強く主張するつもりはないが。


「ぐ、く、ははっ、はははははっ! 狂鬼姫、余はまだまだ健在じゃぞ――っ!」

「しつこい奴め――っ!」


 と、部屋に戻ろうとしているその後方から、九尾の狐の満身創痍な様子を含んだ声が聞こえてくる。

 それにしても、彼女がどうしてここに居るのだろう――。


「くくっ、しつこくて当然、貴様には殺生石を返してもらわねばならぬからのう! そして、その方法にも気が付いた!」

「何――?」

「いったい何――うわっ!?」

「っ、貴様!?」


 廊下のど真ん中で、突然風呂上がりに着る浴衣の前を広げる九尾の狐。その下には何もつけていない。


「ぬははははっ! 貴様の弱点、それはそこに居る男! すなわち、そいつを誘惑し、余の虜とされることは最も望むまいことじゃろう!」

「まさか――」

「そうじゃ、そのとおりじゃとも! 余の母がその美貌と肢体で多くの男を惑わしてきたように、その男の視線を余に釘付けにするのじゃ! それが嫌ならば、おとなしく殺生石を渡すのじゃな――!」

「くっ、この痴女め! 顔を赤らめるくらいならそんなハレンチなことをするでないわ!」


 ――呉葉はそうやって言うけど、君も君で結構大概なことをしてると思う。うん。


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