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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第一章
18/1022

《第十七話》『突然の――』

「ところで夜貴、次の休みはいつごろになる?」

「へ? んー、なんだか、所長に明日から一週間休んでいい、相当なことでもない限り呼び出さないからって言われたけど――どうして突然?」


 ちなみに、平和維持継続室の個人の休日は、国家機関であるにもかかわらず所長の任意だったりする。基本的に職員が申請すればいつでも休みをとれるが、夜貴の場合は、家にいるときに緊急で呼び出されたくないために、いつも通い詰めなのだ。


「ふっふっふ――そうか、そうか」

「――?」


 呉葉が、いつになく分かりやすい笑い声を上げた。まるでそうなることが分かっていたかのような、計画通り、と言ったような――しかし、その目はどこかその先を見据えているように思える。


「よし、夜貴ァ! 明日旅行へ行くぞ!」

「へ、明日ァッ!?」


 突然、などと言う生易しいものではなかった。


「い、いきなりすぎるよ!? 準備も何もしてな――」

「なに、荷物は既に詰めてある」

「ええっ、海外!?」

「ハワイだぞ、ワイハーだぞ! 誰もが羨む南国だぞ!」

「微妙に認識が古いよ!? だいたい、何で突然!?」

「『何で』、だと――?」

「う、うん――」

「貴様が休み一切取らぬせいで、『新婚旅行』なるものを一度も行っていないのだぞ! ただでさえ、祝言もまだあげていないというのに――ッ」

「血涙!? い、いや、でも、僕の仕事は妖怪からヒトを助ける仕事だから、そんな遠出するわけにも――というか、お金は大丈夫……?」

「うっ」


 喉を詰まらせたような声を出したかと思うと、呉葉はそれきり黙りこくってしまった。

 ――やっぱり、お金はピンチなようだった。


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