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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第七章
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《第百七十七話》『不気味なお宿においでませ』

「たのもーっ!」

「道場じゃないよ! すみませーん!」


 昼間だと言うのに薄暗い玄関。流石に観念した僕も、奥へと向けて声をかける。

 それにしても、本当に幽霊屋敷そのモノだなァ。壁もあっちこっち剥がれかけてるし、置物もボロボロだし。廃墟と言ったほうが、しっくり――、


「いらぁ~っしゃいませぇ~~~~…………」

「うわあああああああああああああああああァァッッ!!?」


 普通に前から現れたのなら、僕は驚かない。なんだかんだ、これでも退魔を生業としているわけであるし。

 ――だけど、流石に不安を書きたてるような声色を耳元で聞かされては、叫ばずにはいられない。


「む、そこにいたか女将。世話になる」

「な、なんでそんなところにいたのォッ!?」

「ふぅふぅふぅ~~……周辺の掃除をしておりましたぁ、お待たせしてぇ、もうしわけございま、」

「…………」

「せぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん――……」


 まるで葬式に出るかのような真っ黒な和服で、青白い顔をした女性。長い黒髪は後頭部で纏められており、その姿は小ぎれいな印象を受ける。

 しかし、独特なイントネーションの口調や全身から放たれるオーラのおかげで、お世辞にも世話になりたいとは思えなかった。とりあえず、旅館の女将よりもお化け屋敷のスタッフの方が適任。そう思わせるヒトである。


「お荷物はこちらにぃ、まずはぁ、お部屋にごあん、なぁ~~い、しまぁ~す――……」


 ――僕、精神的に二泊三日の間持つのだろうか?


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