《第百五十二話》『勿論鼻血END』
「う、ん――? ううん……」
ちゅんちゅんという雀の泣き声を聞きながら、僕は目を覚ます。――頭が痛い。と言うか、いつ寝たんだっけ?
「んふっ、昨晩はお楽しみだったな?」
「えっ」
僕の腕の中から、呉葉の白い頭がにょっと飛び出してきた。
「うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああっっ!!?」
「むぅ、そこまで大騒ぎせずともよいではないか。ふふっ」
そうだった、僕は昨日呉葉の胸に包まれ(包まれるほどないけど)一気に気が遠くなったんだった。――彼女曰く、仕方ないからそのまま抱き枕にさせてもらったとかなんとか。
「とても暖かかったし、何より寝顔を見つめることができて妾は満足で♪」
「も、もうっ――」
今現在抱きしめている形となっているこの状態。呉葉の身体は、熱っぽくなどなく暖かかった。打って変わって落ち着けるその抱きごこちは、次第に僕を安心させる。
「もう、よくなったんだね?」
「ああ、心配かけたな」
「本当に、もう――大豆の一機食いは、もうやめてよね?」
「ははっ、うむうむ、流石の妾もこりごりだ。――と言うワケで、こうして元気になったのだ」
「――?」
「このまましっぽりと、次代へつなぐ命を育もうではないか?」
僕の頭は沸騰した。沸騰したと言ったら、沸騰した。




