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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第六章
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《第百四十九話》『看病』

「うう、すまん――」

「まあ、なんと言うか――僕も気が付かなかったし……はい、あーん」

「あー……んむ」


 呉葉のかわいらしい口に、僕はたまご粥を運んでやる。ベッドからだるそうに身体を起こしているが、そんな普段では見られない姿が少しだけ愛らしく思う。


「しかし、存外恥ずかしいモノだな。このように食べさせられるというのは」

「おいしい?」

「んむ。しかし、夜貴は料理できたのだな」

「本当に簡単なモノしかできないけど、ね。あーん」

「あー……んむ」


 だけど、やっぱりいつもの元気な呉葉の方が、僕は好きだった。彼女は、むしろ「このまま看病され続けるのも悪くない」とか言っていたが、早期の回復を僕は望む。熱に浮かされる姿を見続けるのはあまり精神的によろしくない。


「ふぅむ、もっと食べたいのだがな」

「食欲があるってことは、大分回復へと向かっているのかな?」

「いつまでも豆粒ごときに苦しんでられん」

「もっと看病されていたかったんじゃ?」

「うーむ、こう世話をされているのはいいのだが、自由が利かないのはな。妾が求めているのは、もっと密着したイチャイチャなのだ」

「イチャイチャって――」

「うつりこそしないが、こう、あんなことやこんなことをだな――」

「もーっ、今は大人しくしててよ!」

「くははっ、そうだな。今は言われる通りにしておこう」


 そう言う呉葉の少々熱っぽいからだを支えて、ベッドへと横たえる。きっと、この調子なら明日にはよくなっているはずだ。

 ――そんな、今はまだ安静にしているべき時であろうに、


「狂鬼姫ィ! 今日こそ、殺生石を取り替えしてもらうぞォ!」


 どうして襲撃者なんて来るのかな!?


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