表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第五章
144/1022

《第百四十三話》『つかない決着』

「ここは退散させていただく! 御免!」

「うぷわっ!?」


 侍渺茫なる妖怪が何かを地面に叩きつけると、そこから白い煙が一瞬にして辺りに充満した。


「くっ、煙幕――!? と、唐突に逃げ出さないでよ待ちなさい……ッ」


 しかし、煙が明けるとそこに九尾の狐やその配下の姿はなかった。藍妃の言った通り、逃げてしまったのだろう。――そりゃあ、主が言葉責めで悶絶しちゃったら、抱えて走って逃げたくもなるよ……。


「…………」

「呉葉――?」


 そんな中、呉葉は遠くの空をじっと眺めて立っていた。

 あの九尾の狐にした忠告。昔から、何らかの因縁はあったようであるが、その必死な様子は、ただ「知っている」と言う様子とは、少しばかり違うように思える。

 ――そう、例えば、昔からの友人であったかのような。


「あの九尾の狐、逃がすわけにはいかないわ――! そんなこともあろうかと、今作ったこの妖怪レーダーを使って、」

「なあ、静波多 藍妃」

「うん? 何――」


 藍妃が振り向くと、いつの間にか彼女の近くにいた呉葉が、その両目をじっと見つめていた。――もしかしてそれって、


 ――ぱたり。


「すまんな、今日のこのことは忘れてもらう」

「――藍妃って、こんな目ばかりあってない?」

「まだ二回目だから大丈夫だ。――さて、適当な場所へと置いて来てやってはくれまいか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ