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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第五章
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《第百三十九話》『かこがほのおにつつまれるはなし』

「ははうえっ、ひが、ひがせまって――!」

「ふむ――」


「もう逃げられはせぬぞ、大陸より渡りし悪魔、白面金毛九尾の狐! 観念するがよいッ!」


「ははうえっ! ははうえっ!」

「こうなってしまえば、仕方ないのう。ツケ――と言うにはこれでもまだ優しいくらいじゃが」

「――? ははうえ、なにを……? そ、そんなにつよくだきしめられたらくるしいのじゃ」

「鳴狐――お前は逃げるのじゃ」

「は、ははうえ――?」

「周囲は囲まれ、余はこの通り満身創痍。もはや、先ほどまで使い続けていた惑わすための幻術さえ、封じられたときている」

「ははうえ、なにをなさるおつもりなのじゃ、はやくいっしょににげましょう!」


「ここか、九尾の狐! ――この部屋ではないか」


「近くまで迫ってきおったな」

「ちちうえ、そうじゃ、ちちうえ! ちちうえがきっとたすけてくれるのじゃ!」

「――父上、か。残念じゃが、今のあのヒトには、それは出来そうにないのう……」

「な、なにゆえじゃ!? なにゆえちちうえはわれらをたすけられぬのじゃ!?」

「――鳴狐」

「は、ははうえっ!?」

「余の残る妖力全てを使い、お前を他の場所へと転移させる。幻術以外は封じられておらぬからのう。一人くらいなら何とかなる」

「い、いやじゃ、ははうえっ! ははうえっ!」


「鳴狐――……人間を、怨んではならぬぞ」


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