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《第百二十七話》『八時ですが全員集合ではありません』
「な、な、な、な――、」
真っ白な姿の十二単の女――そいつは九つの尻尾まで白く染め上げながら、完全に放心状態で固まってしまっている。
「おまっ、遊!? お前入り口にいつの間に――と言うか、妖怪!? あっ、遊がいねぇ!?」
「おのれ狂鬼姫ィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッ!!」
うわぁ、めっちゃ怒ってる――うん? 呉葉ちん?
「鳴狐様、落ち着いていただき候――!」
「これが落ち着いていられるかァ! なんでクサい臭いを嗅がされ続けた挙句、天井から小麦粉――っ、次から次へと、行く先々で罠に嵌められ続け、黙っていられ……、」
ザバーッ! ……――ガインッ!
「…………」
「な、鳴狐、様――」
おい。おい、おい。その上さらに水が降ってくる、皿にとどめに金ダライ。こう言うのはテレビで見たことがある。一体どこのドリ○なんだい?
「……――よはなきそうじゃ」
あーあー、遂に泣きながら帰ってっちゃったよ。




