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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第五章
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《第百十九話》『白い悪魔』

「鳴狐様、準備が整いましたで候」


 どう見ても時代に合わない、和服姿の侍のような姿をした男が、広間の段の上で食事をとる鳴狐へと首を垂れる。

 この男の名は侍渺茫じびょうぼう。鳴狐のしもべの一体である、刀の妖怪である。


「…………」

「――鳴狐様?」


 主の返事が聞こえてこない。不審に思った侍渺茫は、不敬と思いながらも頭をあげ、その様子を確認した。


「――ッ、……ッ! ――ッ!」

「な、え、な、ななな、鳴狐様ッ!?」


 侍渺茫は我が目を疑った。なんと、主である狐の大妖怪が、喉元を押さえて真っ青になっているではないか!


「な、鳴狐様、お気を、お気を確かに――!」


 侍渺茫はその原因を看破すると、これまた不敬とは思いつつも緊急事態であるために段に上がり、そして――、


 その背中を、何度も強めに叩いた。


「っぐ! ――はぁっ、……はぁッ!」

「ご、ご無事ですか鳴狐様――?」

「あ、危なかったのじゃ――よもやこの余が、」


 鳴狐は、忌々し気に食事を見た。


「お餅などに喉を詰まらせ死にかけるとは――ッ」


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