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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
最終章
1002/1022

《第1004話》『力技』

 呉葉が地面を殴りつけると、街が爆発するようにめくれ上がった。一回の衝撃が波のように広がり、地上に破壊をもたらしていく。


「また、無茶苦茶するのう――ッ!」

「これなら、そう容易く逃れられまい!」


 そのために、鳴狐は空中に投げ出されてしまう。呉葉は、そんな九尾の狐めがけて跳躍。ロケットのように、鬼神が突っ込んでいく。


「まあ、いつもの通りと言えばいつもの通りなんじゃがのう!」


 隣接した呉葉が放った拳。しかし鳴狐はそれを空中でひらりと回避、その背後に回ってしまう。まるで、風に舞う木の葉のように静かで、優美に。


「ちっ、空中浮遊とは卑怯な――ッ!」


 対する呉葉は、空中を蹴り飛ばし鳴狐へと追いすがる。――何を足がかりにしたかと思えば、足の裏で瞬間的に鬼火の爆発を起こしたようだ。僕のさだめた物理法則に、力技で対抗していくのが何とも彼女らしい。


「貴様もヒトの事言えんじゃろうが――!」

「ゴチャゴチャ喧しい! 殴るぞ!」


 片腕に妖気を纏わせ、鳴狐めがけてそれを振るう呉葉。だが――、


「――っ!」


 一撃で山をも砕きかねないその一撃は、鳴狐をすかりとすり抜けた。

 何故なら、それは九尾の狐の作り上げた幻影だったからだ。役目を終えた幻が、ぐにゃりと歪み、空気に溶けるようにして消えてしまう。


「「「「「「「「「やれるものならば、やってみるがよい!」」」」」」」」」


 それと同時に出現する、九人の藤原 鳴狐。呉葉の周囲を取り囲む、一尾の狐の女性。彼女らは皆、宝剣を構え今にも斬りかからんとしている。


「ああ、今やってくれよう!」


 だがそんなことはお構いなしと、呉葉は周囲に妖気を集め始める。


「その言葉、せいぜい後悔せぬようになァ!」


 そして、それぞれを狙った熱線が合計九本走った。


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