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鞄チェック
AM7:20
…よし。鞄にはいない。
あの授業の時以来、毎朝家を出る前に、鞄の中におっさんがいないかチェックするのが日課になった。
でも、どういう訳か昼ごろになって、弁当を取り出そうとすると、いつも鞄の中からひょっこり顔をだすのだ。
怖いしなんか嫌だから、今日もやっぱり念入りにチェックする。
ん、てかこれってストーカー規制法で訴えたら勝てるんじゃ…
…人間かも分かんないおっさんに訴訟起こしてもなぁ…
…ん?
鞄の底敷きの下になにか触った。
なんだこれ、すべすべしてて、薄い…?
取り出してみると
「花びら…?」
きっと何かの拍子に入ったんだろ。
自然に帰れと庭に落とす。
玄関の時計を見ると7:25分。
うん、少し余裕あるかな。
スーパーで今日の特売見てから行こう。
「いってきまーす」
「「いってらっしゃーい」」
…母さんって鈍感なのかもしれないなー
おっさんの声重なってたでしょー。
正確には俺の声になってんだろーけどさー。…ま、いいか。
歩きながら今日の晩飯の献立を早くも立てていた。






