スーパーでの疑問
「そういえば…」
俺は家の近くのスーパーに寄っていた。
おっさんは、制服の胸ポケットにすっぽりと収まっている。
「どうしましたぁ?」
相変わらずニヤニヤと聞いてくる。
その顔どうにかならんのか…。
生まれつきか。後天性か…どちらにせよイラっとくるな…
まぁいいや。
今まで気づかなかったちょっとした疑問を投げる。
「なんで気づかれないの?」
教室でも、あの授業の時以外かなり普通に喋ってたろ?
声もみんなに聞こえてた筈だし。
でも誰も驚いて無かったぞ。
こんなファンタジー色溢れるおっさんをみて、誰が驚かない事か。
んーでも、なんか変な視線はあったような気がしないでも…
「あ〜それはですねぇ〜」
うっすら思い起こした記憶を、おっさんの声がぶった切った。
「これの所為ですねぇ〜」
そういっておもむろに顔に近づけてきたのはおっさんのメガネ。
うぉっ⁈髭まで一緒に取れてるし!
これでセットかよ‼︎
「これ、ボイスチェンジャーなんですよぉ〜」
…はい?
これが?
ユーモアに富み過ぎだよ。
なんでこんな遊び心満載なんだよ。
一般受けしないぞ。
「で、これをずっと入れっぱなしで喋ってますので〜」
なるほどなー、それで俺の声で喋ればいいのか…
って…ちょっと待て…それって…
「ですので、はたから見れば村岡さんが一人で喋ってるようにしか見えないわけです〜」
ですよねぇ‼︎
うぉおい⁉︎俺めっちゃ危ない人じゃん!
何してくれてんの⁉︎
俺を社会的に潰したいの⁉︎
「あ〜タイムサービスが「喋んなぁあ‼︎」
もう、黙っててくれ‼︎
思いつつタイムサービスへダッシュ。
その後…
タイムサービスのおばちゃん達との戦いを制し、戦利品のジャガイモと、ニンジン、レタス、その他もろもろと共に、俺は我が家へ帰った