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卒業写真

作者: 江角 稚

音無さん、こんな感じでよろしいでしょうか?

「ねぇ、交換しない?」




唐突に言われた言葉に、僕は聞き返した。


「え…何、を?」




「…何を?」

にっこりと笑う彼女。




悪戯っ子のような微笑みは、僕の背筋を凍らせる。

良からぬことの前兆だから。




「決まってるでしょ」


やっぱり。

帰りたくなって来た。




「制服だよ」


…誰か、助けて下さい。




僕は振り回されっぱなしだ。

この三年間、非の打ち所のない彼女に。




何で彼女は、

こんな僕と付き合ってるんだろう。




こんな、平凡な僕なんかに。




「言わなきゃ分からないの?」

そんな時、決まって彼女はこう言うんだ。




「貴方のそう言う所が、好きなんだよ」




…彼女の言おうとすることは、未だによく分からないけどね。




「隆太郎ー、写真見る?」

と、彼女は問う。


「見ない!!」

僕は即答した。




「どうして? こんなに可愛いのに」


可愛いのは、貴女だけです。




「もしかして、ツーショットが嫌だった?」


滅相もない。

けど、見るのは恥ずかしいんだ。




「綺麗に写ってるよー」


でも、何だか僕は見劣りするだろう。




…見られるはずもない。




完璧なまでに似合っている、彼女の学ラン姿と。


不恰好にも程がある、僕のセーラー服姿なんて。

閲覧、ありがとうございました!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 「可愛いのは、貴女だけです」で、にやーと笑った篠宮です。 おはようございます^^ オチに笑いました。 可愛いですねー、隆太郎くん♪ 甘酸っぱいです^^ 同年代だと思っていた……それは嬉し…
[良い点] はじめの台詞で、きっとアドレスとかそんなところだろうなー、と思ったのですが……そうきましたか!笑 [気になる点] あくまで個人的に、なのですが、行間が空きすぎると少し読みにくく感じてしまい…
2012/02/21 22:42 退会済み
管理
[一言]  短い中によくまとまっていて、楽しめました。それにしても……いいオチです(笑)
2012/02/17 00:07 退会済み
管理
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