「いっけない〜!殺意殺意」
ただのフィクションです
私、公爵令嬢。毎日学園に通いながら、領地経営の勉強もしているの。
ある日、婚約者が浮気相手を連れてきてもう大変!
真実の愛を見つけた?婚約破棄?目と頭が悪いんじゃない?
次回「婚約破棄しても良いけど、婿入り予定のお前は平民決定」お楽しみに
という夢を見た。
何なのだろう?
全く意味が分からなかった。
まだ12歳で、婚約者もいない。
俺は忘れる事にした。
ところが数日後、婚約者ができた。
相手は公爵家の令嬢で、将来は公爵になる。俺は、侯爵家の三男だから、婿入り予定だ。
ん?公爵?婿入り?
最近どこかで聞いたような…?
そこで、ある日に見た夢を思い出した。
婚約者がいるにも関わらず、浮気して婚約破棄する…
しかし、婿入り予定だったから、婚約破棄したら平民決定…
…まさか…
信じられなかった。
偶然にしては出来過ぎている。
しかし、将来の自分がバカな事をやらかすのかもしれない…
婚約者を大事にして、浮気しないで真面目に勉強しよう。
目の前の公爵令嬢を見た。
まだ12歳。同い年だ。
金色の髪に青い瞳。
王家や公爵家の色を、しっかり受け継いでいる。
可愛いというより、将来美人になるんだろうなぁ…という感じ。
父親である公爵様も美男子である。
俺の父上みたいに「最近お腹が出てきて…」なんて、悩んでたりは、しなさそうなスラリとした姿。
こんな美男子を見慣れていたら、俺みたいな普通顔は好まないんだろうなぁ…
だけど、あの夢が、将来の俺だとして、この美人の公爵令嬢の婿になるのに、何で浮気なんてしたんだろう?
俺は侯爵家の三男だけど、継ぐ爵位も領地も無いから、成人したら平民決定だ。
婚約者と結婚したら、貴族でいられるのに何でわざわざ平民になりにいったのか?
いくら貴族に愛人はつきものだと言っても、学生時代から浮気とか…
いや、浮気するやつは浮気するのか?
でも、婿入りだぞ?立場が無いぞ。
婚約者は将来、公爵位を継ぐので、勉強が大変だろうな…
兄上も、領地経営の勉強やらなんやらで、毎日大変そうだから…
そうか、俺も勉強して、手伝えば良いんだ!
一緒に勉強するようになり、婚約者とは、仲良くなった。
数年後、学園に通うようになった。
婚約者と仲良くなったからといって、油断したらいけない。
学園で浮気相手と出会うのかもしれない。
俺は、婚約者からなるべく離れないようにした。
俺が婚約者から離れないから、婚約者を溺愛している、と噂になったが、その通りなので黙っていた。
誰も割り込めないと思い込ませて、邪魔をさせない作戦だ。
婿入りするんだよ。婚約者も婚約者の家も大切にしないと。
婿に来てもらって良かったって思ってもらいたい。
婿入りできなければ、継ぐ爵位もない俺は、平民になるしかないのだから。
ずっと貴族として生活していて、平民生活など送れるわけもない。
浮気相手とは、いつ、どこで出会ったんだろう?
学園の生徒なのだろうか?
と思っていたら、向こうからやって来た。
廊下を歩いていたら、何か突進してきてぶつかった。
俺は、尻もちをついた。
何かが俺の上に乗っていて、重いし痛い。
見たら、女生徒が乗っていた。
「ごめんなさぁい!」
女生徒が言った。
分かったから、どいてくれ。
「前を見てなくて」
見ろよ。
「すまないが、どいてくれ」
言うと、女生徒がやっとどいた。
…重かった。
「私を受け止めてくださって、ありがとうございます」
押し倒したの間違いじゃないか?
「これも何かの縁なので、仲良くしましょう」
この女生徒…頭おかしいのか?
人にぶつかっておいて、仲良くしましょう?
随分無礼な女だな。
「私はピンク!よろしくね!」
誰がよろしくするか。
「急いでいるので」
俺は、ヤバい女から逃げる事にした。
ヤバい女は、事あるごとに話し掛けてくる。
「俺には婚約者がいるから、話し掛けないでほしい」
と言ったが、懲りずに話し掛けてくる。
…まさか、こいつが浮気相手?
何で夢の中の俺は、こんな女を好きになったんだ?意味が分からない。
「婚約者がいるから、話し掛けないでほしい」と言ったのに、話し掛けてくる言葉が通じない人間だぞ。
友人達に聞いたら、他にも、婚約者がいる男子生徒に声を掛けているらしい。
婚約者がいる男に近付くなんて、どんな教育を受けてきたんだ?マナーと常識が無い。
こんなのより婚約者の方が良いに決まってる。
それを真実の愛だなんて…脳みそ腐ってるな。
平民決定も当然だ。
俺は、誤解してほしくないから、ヤバい女に絡まれている事を、婚約者に相談した。
「あら、それは大変ですね」
「大切な婚約者に誤解されたくない」
「まぁ、ありがとうございます」
「しつこく話し掛けてくるから、うんざりしてるんだ」
「…そうですね…」
婚約者は、しばらく考えて言った。
「俺とお前がもし結婚したら、平民になるが、それでも良いのか?と聞いてみるのはどうですか?」
「え?」
「婚約者がいる男子生徒を、婚約者から奪いたい病かもしれないし、爵位のある男子生徒を狙っているのかもしれないし…」
「ふむ」
ヤバい女が話し掛けてきた。
「俺とお前がもし結婚したら、平民になるが、それでも良いのか?」
俺は思い切って言った。
「は?」
「俺は三男だから家は継げない。俺と結婚するなら平民確定だぞ」
「何それ最低!!さよなら!!」
ヤバい女は去っていった。
そして、それ以降、話し掛けてこなくなった。
「ありがとう!」
婚約者にお礼を言った。
「良かった」
婚約者が微笑んだ。可愛い。
そうして、俺と婚約者は無事に卒業し、無事に結婚して幸せに過ごした。
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