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星のひとしずくと、海岸通りのローズマリー

作者: 逢乃 雫

ひと吹きの


海岸通りの潮風に



薫るように


ローズマリーは



夏風に描いた


手紙を澄んだ秋の空へと



そっと届ける


季節のポートレート



水影草(みずかげぐさ)


穂は煌めきながら



大地を


黄金に彩るように



色染月(いろそめづき)の風吹く


丘に咲くケイトウは



紅い情熱に


景色を染めながら




星の水瓶に


光をあつめるように



白鳥と鷲が


西の空へ羽ばたくとき



遥かな南の


(そら)と大地のあいだに



やさしく煌めく


みずがめ座の星々




心の水瓶に


やさしさをあつめて



星空の


水瓶から溢れる光は



澄んでいく


秋の夜空に幸せを


そっと


ふりまくように



言の葉もきっと


心の水瓶の


ひとしずくのように




夏、ひとしずく



夏風に描いた


季節のポートレートは


秋の澄みゆく空に


映るこころとなって



夢、ひとしずく



どんな大海も


一滴ずつがあつまって


夢もきっと


心の大地に育む一滴のように



星、ひとしずく



宙に描かれた


水瓶から溢れる星のように


やさしさも


心の水瓶から溢れ出す光と信じて



秋、ひとしずく



少しずつ


染まりゆく景色の中で


心が描く


今日もまた、ひとしずく



心、ひとしずく



夢も幸せも


見えるかどうかではなくて


本当はきっと


感じるかどうかかも知れない



宙に浮かぶ


星の、水瓶のように




色染月の


海岸通りの潮風に



ちりばめられた


青い花は


海と空のしずくのように



ケイトウが


丘を紅く染めながら



秋めいていく


宙と大地のあいだに



星のひとしずくと


海岸通りの、ローズマリー

















黄道十二星座の一つ、みずがめ座は、秋の南の夜空にあり、光はささやかですが、サダルスウド(最高の幸せ)、サダルメリク(王の幸せ)、サダクビア(秘密の幸せ)など多くの星がアラビア語で「幸せ」を意味します。


ローズマリーは、秋から青い花が咲き、「静かな力強さ」の花言葉があります。諸説ありますが、ラテン語の「ロス・マリヌス(海の雫)」が由来とされます。色染月いろそめづきは9月のことです。


秋にかけて咲くケイトウは、セロシア(ギリシャ語で「燃焼」)とも呼ばれ、紅の花言葉は「情熱」です。イネは白い花が咲いて「結実」の花言葉があり、「水影草みずかげぐさ」とも呼ばれます。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
色んなひとしずくが集まって、混ざり合って、人も世界もそんなので出来てるのかも知れない… なんて思っちゃいました(*´ω`*) みずがめ座からのひとしずく。幸せのお裾分け? 豆も豆もー!(笑)
思えばごはんもお米ひと粒ひと粒の集まりだなぁと思いながら。どんなに大きなものも小さくささやかなものから成っている。そう思えば、自分にできるほんの僅かなことも何か大きなものに繋がっているのかな、と。なん…
夏・夢・星・秋・心と様々なひとしずくがあり、それぞれ掬うものが異なれど、それが重なってひとしずくになって行くように感じられて素敵でした。 素敵な詩を拝読させていただきありがとうございました。
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