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1-3.仲間たち

 面談後、三人は宿舎へ戻った。


「お、生きてたか」

 簡素なパイプベッドに座る、アウルが茶化す。


「なんとか無事だよ」とシキから、大げさなため息。


「全員、揃ったな」

 仲間たちを見回す顔はどこか嬉しそうだ。


 シキ、アウル、ヴォルク、ジェネロ、ディア、セアリアス。

 宿舎には、IMO第一分隊の全隊員が集結していた。


「そういえば。ディアとセアとは、初対面だよな?」

 シキは、金髪碧眼の女を見た。


「初めまして、ディア・エヴィエニスです」

 シュッツェとアインと握手を交わし、ディアは微笑む。


 続いてオーバーオールが似合う青年が、手を差し出した。


「セアリアス・リカーです。整備士をしています」

 

 シュッツェと同年代だろう。見た目は地味だが、実直そうな青年だ。


「今日から二人はIMO隊員だ。この先、危険な目に遭うだろう。なので、身を守る武器を渡します」

 シキはそう言って、アウルに目配せした。


「よっしゃ」

 アウルは意気揚々と、アタッシュケースを取り出す。

 跳ね上げ式のストッパーを外し、中身を見せた。


 保管されていたのは二丁の拳銃。

 露出した撃鉄とシリンダーから、一目で回転式拳銃リボルバーだとわかる。

 今はシリンダーが振り出され、弾は入っていない。


 アウルは、慣れた手つきで弾を込める。

 シリンダーを閉じたあと、グリップを差し出した。


「はい」


「……リボルバーか」

 手を伸ばす途中で、シュッツェは呟いた。

 憲兵学校では自動式拳銃オートマチックを使っていたのだ。


「なに、リボルバーは気に入らない?」

 アウルは、高速で瞬きをした。


「そりゃ、オートマチックは見た目はカッコイイし装弾数も多い攻撃に特化した作りだけど構造が複雑で不具合を起こしやすいんだよ。その点、リボルバーは作りが単純で丈夫! 装弾数が少ないのが悩みどころだけど。それに見ろよ! この繊細かつ緻密な造形を! リボルバーは時代遅れだとか古臭いとか言われるけど俺は──」


「もういいか?」

 怠そうなシキの声が、怒涛どとうの早口を遮った。


「……簡単に言えば、故障が少なくて軽いリボルバーが護身用にはいいってこと」

 興奮が冷めたらしく、アウルは気まずそうだ。


「ショルダーホルスターも渡しとくから、そいつにしまえ」

 脇の辺りで固定するホルスターを、カバンから引っ張り出す。


「夏じゃなくてよかった。これを着けると、どんなに暑い日でも上着が脱げないんだ」

 ホルスターを受け取り、アインは安堵あんどした様子だ。


「それじゃ、歓迎会といこう。コーヒーしかないけど」

 苦笑しつつ、シキはマグカップを手に取った。


「乾杯!」


「ようこそIMOへ」


「これからよろしく」


 それぞれがカップを掲げた。


「なぁ、アイン」

 シュッツェは苦楽をともにした、警護官の名を呼ぶ。


「俺たち、随分と遠くまで来たな」

 談笑する仲間たちを見やり、しみじみと言った。


「そうだな。でも、どれだけ遠くに来ても帰る場所は変わらないさ」

 目を伏せ、アインは微笑(ほほえ)んだ。

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