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1-3

さっきの巫女さんに聞いてみよう、そう思って社の窓口へと戻ると同じ場所に彼女はいた。いくつか窓口があり、僕の他にもおみくじを求めて来る人はいて他の巫女さんから次々に受け取っていく。そんな中で同じ人に当たるのは割と幸運だったのかもしれない。


「あの、これ……」


我ながら歯切れの悪い聞き方だなと思いながらも、おみくじを開いて差し出し、指でさし、これとわかりやすくして見せた。

ラストワン賞。相変わらず違和感のある文字列が強烈に目に飛び込んでくる。


「ラストワン賞ですね、おめでとうございます!」


かけられた言葉は予想外と言うか、予想の遥か斜め上を行っていたと言うか、ああ、言葉の意味をそのまま受け取るならば予想通りと言った方が適切なのか。ともすれば頭上のくす玉が割れて紙吹雪と鳩が飛び出し、周りから拍手喝采を浴びるほどのお祝いっぷりである。


「って、んなわけあるかー!」


声を張り上げるも、巫女さんは表情ひとつ変えず笑顔を絶やしていない。なんなんだ一体。微妙に絶妙に怒りが込み上げてくる。


「あの、これどういう意味なんですか」


ちょっとだけ凄んでみたが、思ったよりも効果はなかったみたいだ。


「それはその、ラストワン賞です」


「いやだから! 何がラストワンなのって!」


「ラストワンはラストワンです。最後の……」


にっこり笑って人差し指を立てて見せる。あまりにもその仕草がかわいかったものだからうっかり恋に落ちそうになった。そのせいで聞き逃しそうになった。あまりにもおかしなそのフレーズ。


「いまなんて?」


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