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3-4

そんな他愛のない話をしながら僕たちは神社へと着いた。案の定、参拝は行列が出来ていて、サエコは「ほら言ったじゃない」と頬を膨らませて不機嫌になった。けれど僕は知っている。この不機嫌が終わった後、満面の笑顔を僕だけに向けてくれることを。だからいまは自分のやってしまったことを反省しながら大人しく待つことにするのだ。


なんとか参拝し終わると、おみくじをもらいにいった。財布から600円を出して二人分をもらう。応対した巫女さんは美人だったけど、サエコの目があってよく見られなかった。まあいいだろう。


おみくじを開く。チラと横目でサエコの様子を見るが何とも言えない表情だった。おそらくは吉か末吉か、そんなところだろう。


さて、僕はどうだろうと目を向けて、


「なんじゃこりゃ」


思わず口に出してしまっていた。だってそうだろう。大吉か中吉か、はたまた凶なのか、何が出るのか楽しみだなと思いつつ開いたおみくじに書いてあったのがこんな言葉だったら。




ラストワン賞




行書体のちょっと読みにくい言葉に混じって、カタカナがゴシック体に成り代わってどどんと我が物顔で居座っているのである。まるで夜のコンビニの入り口に、うんこ座りで溜まっているあんな連中みたいだと思った。


サエコに見せると思った通りおかしな顔をされた。


「なにそれ、キモ」


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