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隣の席

なんでだろー

朝早く来て教室の植物に水をやり、清掃などをして、読書をする。

(あれ、俺陰キャじゃね?)

そういえば、俺の隣、1ヶ月経つけど1回も来てないな?不登校?でも入学直後に不登校はちょっと想像し難いしな。

そうこうしているうちにたくさんの生徒が登校してくる時間になってきた。俺は促されるように本に視点を落とし、読書を進めるのだった。


そうして、出席確認が行われ、今日も隣の女子は来ないのかと思ったその刹那、


「おはようございます。おそくなって申し訳ありま、せ、、ん?」


と響き渡る声があった。

その声は、昨日河川敷で耳にしていた声であり、声の方に振り返ると見たことのある美少女がいた。

ただ、容姿は河川敷にいたようなラフな格好に、無邪気な笑顔というわけではなく、制服をきっちり着こなされ、それでいておだやかな笑顔を浮かべていたのだが、快斗と目が合い、「なんで」といった表情をしている。


「おー、来たのか七瀬。どうかしたか?」

「い、いえ、なんでもありません」

「そうか、席は石川の隣だ」

「分かりました」

すると彼女は近づいてきて、隣の席まで来たところで、

「七瀬、軽く自己紹介しとこー」

と担任から声をかけられ、

「わかりました。七瀬 紗季です。一身上の都合で長く休んでおりましたが、どうぞよろしくお願いします」

といんぱくとがない自己紹介をすると、どこからか

「かわいー」

「めっちゃタイプ」

などと、彼女の美浪を称賛する声が上がった。ただ、快斗としては河川敷で会ったイメージが強く、違和感しかない。

とりあえず自己紹介、出席確認が終わったところで、自由な時間が訪れる。

「七瀬さん、どうしてこなかったのー」

「七瀬さんってかわいいねー」

などと、女子が七瀬に集まってきていた。

なので俺は席を外し、廊下に出て、行くあてもなく適当にぶらついている。そんな時、

「ちょっときて」

と服を引っ張られ、図書室に引きずり込まれた。

「いてて、なんだよ誰だ?」

俺は視点をあげて思考が停止した。

「な、七瀬?」

そこにいたのは、快斗が唯一美少女だと思う七瀬 紗季だった。

「なんで、あなたがこの学校にいるの?」

「え、受験したから?」

「そういうことじゃなくて。ま、いいわ。それより河川敷でのこと、忘れなさい」

「え、なんで?てか忘れられない」

「だって、今私は完璧な私で振舞ってて、それに「いい風だねー」とか「聞いてくれる、私の話」とか恥ずかしすぎる」

「そんなことなくもない」

「だ、か、ら、忘れてっていってんの。あの時はただの他人だと思ってたからいろいろ言えたけど、今ははずかしいから忘れて!」

「てか、それが素?」

「そうですあのとき河川敷で黄昏てる私かっこいいとか思ってましたすいませんだから忘れて」

「はは、お前そっちの方がいいよ」

「それよりわすれてってば!」

「忘れることはできないなー、ただ口には出さないようにする、それでいいか?」

「わかったわ、じゃ、よ、よろしくね」

「ああ」


なんか疲れたわもう。七瀬 紗季 か。焦ってたなー、ってあいつハンカチ落としてったぞ。もってってやるか。

教室に戻るとさっきまでからは想像できない落ち着きようだった。

「七瀬、これ落としてたぞ」

なるべく普通に接する。

「あ、ありがとうございます。すいません、迷惑かけてしまって」

丁寧な感謝、言葉遣い。自分に見せたものとは違う態度に、快斗はむず痒いものを感じた。

感想をくれた方、ありがとうございました。まだまだ下手ですが、頑張っていきたいと思います。

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