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創造のドラゴン  作者: かずるー
6/12

第6話「まさかの異世界」

「まさかの異世界」




「うわぁーー!」

 秋と日向は、叫び声を上げながら空間歪みに向かって飛んでいた。

 その声に何事だと学校中の生徒、教師達が上を見ると目を開けていられないような閃光が全員の目を襲った。


「う、、なんだ?」

 ある生徒が目を擦りながら上を見るとそこには何事も無かったかのように雨空が広がっていた。




 〜異世界〜


「うっ、どうなったんだ?」

 秋が目を覚ますと、見覚えのない路地裏にいた

  そして、驚いた事にさっきまで降っていたはずの雨も止んでいる。


「ここは、、どこだ?……日向!日向はどこだ!?」

 あたりを見ても日向の姿が見えない



「ここだよ〜、ここ,ここにいるよ〜」

 ゴミ袋の山が置いてある場所からくぐもった声が聞こえてきた


「お〜い、日向、そこにいるのか?」


「あ、やっと気付いたの!秋。はやく!はやくここから出して!」

 ゴミ袋を退かしていくと日向の手が出てきた


「おーい日向!引っ張るぞー」


「はやくして!臭いがすごくてもう耐えられないー」


「はいはい、じゃあ引っ張るぞっと」



「ぷはぁー、やっとまともな空気が吸えたー。ってここどこ?」


「わからねぇ。俺はさっき目が覚めたところなんだ。」


「そっか…」


「まぁ色々とわからねぇが、とりあえず俺らが生きてるってことは陵も生きてんだろ」


「そっか!そうだよね!それじゃあ早速お兄ちゃんを探しに行こうよ!」


「あぁ、そうだな。それならまず情報を集めないとな。」


「情報?」


「あぁ、まずここがどこなのか知らないと話にならないし、それに陵が俺たちと同じ場所に飛ばされてるかもわからないしな。」


「飛ばされてる?」


「気づいてないのか?目が覚めたら雨が止んでるし 多分アレに触ると瞬間移動するんだと思う。多分だけどな」


 ていうかそれしか思いつかない、現実的な考えではないけど


「えっ!てことは海外に来てるかもしれないってこと?」


「まぁ、そうだな」


「それじゃあ、お兄ちゃんは世界中のどこかにいるってこと?」


「そうなるな。しかも俺たちみたいに安全な場所に飛ばされてるかもわからない。海の上、危険なジャングル、とかに飛ばされていたら…」


「そんな…」


「心配だけど今は自分達の現状を把握しないことには陵を探すのは無理だ。まずこの街の人に話を聞こう。」


「もし外国だったらどうするの?」


「安心しろ、俺、英語得意だから」


 日向を安心させるためにそう言っておく、ていうか安全な場所に飛ばされていても、もし外国だったら間違いなく困ってるだろうな、アイツ俺は外国で働く気なんて無いから英語なんて分からなくていいんだよって言って全く英語の勉強してなかったからな。


 そんなことを考えながら路地裏から出て分かった事は


「絶対に日本じゃ無いな…」

 ここが日本じゃないことは建物と、通りを歩いている人を見れば一目瞭然だった


「そうだね…ていうかこんな個性的な人達がいる国ってどこなの?」

 日向の言うように通りを歩いている人達は実に個性的で多種多様だった。普通の服の人、武装している人、猫耳の生えている人など本当に多種多様だ。


「なんかファンタジーみたいだね…」

 そう、日向の言う通り、まるでファンタジーの世界に迷い込んでしまったような感覚に陥る


「そうだな…コスプレだよな?あれ」

 コスプレにしてはなんかリアル過ぎるような気がするけど今の技術ならあんぐらいできるのかもしれない、うん絶対そうだ、そうに決まってる!


「じゃあ、話しかけてくるわ」


「わかった!頑張って!」


「あぁ」


 なるべく普通の服装の人を選び、英語で話しかけてみた

「ハ、ハロー」


「$=々・〆|%$€」


 やっべぇ全然通じねぇ!

 とりあえず、その場から急ぎ足で離れた俺は日向のところ一目散に戻った


「どうだった?何かわかった?」


「あぁ、一つだけ…英語が通じない場所ってことがわかった…」


「収穫なしってことね…はぁ、これからどうする?」


「そうだな、、、とりあえず、気分転換にこの辺りを見て回ってみようぜ」


「そうだね、、」


 そうして歩きながらこれからのことについて話し合いをしながら、結局どうしようもないよなって結論が出たところで目の前にデカイ門が見えた



「ここって壁に囲まれてるんだな」


「そんな国ってあるの?ますますファンタジーぽいね」


「まぁあるだろうけど…相当少ないだろうな。スマホで調べたらわかるだろうけど…あ!」

 そうだよ。スマホがあるじゃないか!スマホを使えば全部解決じゃねぇか。

 そう思ってポケットからスマホを出して使おうとすると


「あれ?電源つかねぇ、おかしいな充電あったはずなんだけど…」


「私のも…多分、アレのせいじゃないかな」


「アレか…」

 原因は多分俺たちの飛び込んだアレだろうな。くそぉ、スマホさえ使えれば全部解決したのに


「はぁー。気分転換に門の外に行ってみようぜ…」


「そうだね…」


 暗くなった気分を切り替えるために門の外に行くことにした






「空気がうまいな!」


「そうだね、風も気持ちよくて景色も良いし最高!」


 門の外は草原が広がっていてた。気持ちいい風が体を包んで爽やかな気分になる。


「あっちは森みたいだな…」

 草原の先には鬱蒼と茂る木々が広がっていた


「ねぇ、秋くん。お兄ちゃんなら冒険だーとか言ってあの森に行きそうじゃない?」

 森を眺めているとそんなことを日向が行ってくる。



「確かにあいつなら言いそうだけど…多分、ていうか絶対。陵を探しにあの森に行くつもりだろうけど、ここがどこかもわからないのに森に行くのは危険だ」



「けど…ちょっとだけは?本当にちょっと森の中を進むだけ。それならいいでしょ?」


「…わかったよ。本当にちょっとだけだぞ」


「うん!」


 ちょっとだけなら大丈夫だろうという安易な考えで、俺たちは森の中に行くことにした。

まぁ、すぐにこの決断を後悔することになるんだけどな






 〜森〜



「もう引き返すぞ日向!」


「お願い!もう少しだけ!」


「ダメだ!そのセリフもう三回も言ってるだろ」


「けど…」


「日向、焦る気持ちは分かるが焦ったって良いことなんて一つもないぞ」


「そうだね…わかった。戻る…」


「よし、じゃあ街の方に行くぞ」


 結局、結構進んでしまった。何も起こらないといいけど、ていうか街に戻ったてからどうしようか。

飯のあてもそれに宿も無し…。本当にこれからどうしよう。

 そんなことを考えていると


 ガサッ!ガサッ!


「日向、止まれ」

 小さい声で日向を制止する。


「な、なに?」


「草むらに何かいるぞ…動くな!」


「う、うん。わかった」


 クソっもっと早くに引き返すべきだった。

 判断を間違えた自分に苛立っていると草むらから

体長1m7〜80くらいの灰色の狼が5匹。俺たちを囲む形で出てきた


「おっ!狼⁉︎」


 最悪だ…まさか狼が出てくるなんて、こうなったらどうにか日向だけでも逃がさないと


「落ち着け日向。俺が突っ込んであいつらの注意を引くからお前はその隙に街の方に全力で走れ!」


「なに言ってるの⁉︎そんなことしたら秋が…そんなのダメだよ!」


「それしかないだろ!どうせこのままだと2人ともやられるんだ。それなら俺が囮になって日向だけでも」


 狼はスタミナに優れた動物だ。時速70キロで20分、時速30キロなら7時間以上走り続けられる。人類最速の速度で7時間以上走れる狼から逃げるためには俺が囮になったところで逃げれる確率なんて0に近いがやらないよりはマシだ


「そんなのダメ!こうなったのは私の責任なんだから秋を囮にすることなんてできない!」


「そんなこと言ってる場合か!このままだと本当に2人とも死ぬぞ!」


 そう言っている間にもジリジリと狼たちは距離を詰めてきていた、もういつ飛びかかってきてもおかしくないだろう


「でも…やっぱりそんなことできないよ!キャッ」

 1匹の狼が日向に向かって飛びかかってきた


「日向!」

 俺は日向を押し飛ばした。すると日向に飛びかかろうとしていた狼がそのまま俺の首目掛けて鋭い歯の並んだ口を開いて迫ってきた


「秋!」


 死ぬ間際の集中力か俺の首に噛み付こうとしている狼の動きと日向の叫びがスローに感じる。



 スローで流れる景色をただ眺めていると目の前の狼が突然吹っ飛んだ。


「はぁー、はぁー、なにが起きたんだ!?」

 秋は突然の事に驚き、動けないでいた


「秋!大丈夫⁉︎」


「あぁ、大丈夫だ。それよりなにが」

 疑問を口にしようとした時、凛とした少女の声が耳に届いた



「まったく、何で異世界人は自分から危険につっこむのじゃ!」


 声のした方を見ると綺麗な黒髪に白い肌、それに金色の目をした不思議な雰囲気をした少女が立っていた


「おい、そこの犬ども。ここから立ち去るのじゃ」


「ウ〜〜、キャン〜」


 少女がそういうと最初は威嚇していた5匹の狼たちは少女に怯えて逃げていった



「大丈夫か?お主たち?」


「お前は一体…」

 どうやらこの少女には言葉が通じるようだ。

質問をしようとすると少女は


「あー、待て!どうせまた質問責めじゃろ?」

 -パチン-

 そう言って少女が指を鳴らすと豪華な椅子と机が現れた


「えーどうなってるの〜!」


「お主達、名前はなんて言うんじゃ?」


「わ、私は日向」


「俺は秋だ」



「それじゃあ。日向と秋。まぁ、とりあえず座れ、話はそれからじゃ!」


 そう、優雅に語りかけてくる少女。


「わ、わかった」

 俺達には今、この少女しか頼れるものがない、秋と日向は少女の言う通りに椅子に座るのだった。




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