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創造のドラゴン  作者: かずるー
10/12

第10話「エデンの戦い」

「エデンの戦い」



「じゃあな、陵。また気が向いたら来る。」

 エデンは別れを告げながらある決意を固めていた。




 瞬間移動(テレポート)を使い、神の領域と呼ばれる特別な空間へと移動する。


 神の領域。そこには見る者全てを魅了するような美しい花畑、湖などがある。それに創造神がエデンを喜ばせる為に造ったあらゆる物があった。






「ワシがやるしか、、、、」

 こんな短い間に空間の歪みが二つも発生するなんて

 多分あいつのせいじゃろう


 できれば行きたくない。しかし、自分にしかできないのだからそんな事も言ってられない。

 そう自分を奮い立たせる。




「では行くとするかの」

 思い出のたくさんつまった花畑を眺める。



「行ってきます。お母様」


 両手を前に向けるとある空間への扉が開く。





 〜ある空間〜



 エデンがある空間に入った時にまず感じたのは部屋中を漂う殺気だった。そして、体が震えて汗が吹き出てくる。




「なんじゃここは、、、、」

 こんなとこ早くでないと行けないと体が拒否反応を起こしておるのぅ。





「ゼロか、、、」

 その声は決して大きくはないがしっかりと聞こえてきた。

 そして、その声の主こそが空間の歪みの原因。




「いや、ワシはエデンじゃ。破壊神」


 破壊神と呼ばれたものは檻の中にいた。だがその姿は見えない。そこには黒い煙の様な何かが漂っていた。



「その名で呼ぶな!!!!」

 怒気のこもった声で破壊神がそう叫ぶ。

 その叫びと共に衝撃波が辺りを襲う。





「やはり封印が緩んでいるようじゃな」


 違っていて欲かったが、、やはり破壊神が原因だったようじゃな。



「あぁ、もうすぐだ。もうすぐゼロの創った世界を壊してやれる。」



「そんな事はさせん。今、封印を締め直してやる」


 エデンがそう言いながら檻に近づくと不意に背後から殺気が襲う。




 反射的に体を下に屈めるとさっきまで頭のあった位置を剛腕が通る。その剛腕の余波で地面が爆ぜる。




「良くかわしたな、お嬢ちゃん」

 後ろを向くと筋肉隆々の男が笑顔で言う。




「誰じゃお主、、、いや。お主達」


 後ろには男と合わせて10人いた。

 全員、異様な空気を放っている。



「死は、突然訪れる、、、」


 その中の1人、不気味な男がそう呟いた。



 男が呟いた瞬間にエデンの後ろに黒い人形の何かが現れる。

 その何かは人の形をしてはいるがただの黒いモヤのようにも見える。




 瞬時にエデンは拳に光を纏わせた裏拳を喰らわせる。

 エデンの裏拳を喰らった黒い人形は木っ端微塵に弾け飛んだ。



「今のは、、、」


 反射的に攻撃してしもうたがあれは一体、、、




「死が、、、死が、、、」

 黒い人形の何かがエデンに消されて男はパニックに陥る。



「隙だらけじゃな」


 エデンはその隙を見逃さなかった。足に旋風を纏わせながら一気に距離を詰めると男の顎を蹴り抜いた。



「うっ」


 エデンの蹴りによって意識を失った男はそのまま旋風によって体を回転させながら遠くへと飛んで行った。

 そしてドォォォンという轟音と共に地面に着地した。



「お姉ちゃんすごーーい」



「お嬢ちゃん、やるねー!」



「ヒューー!ナイスショット!あはははは」



「すごい、すごい」





「ふふふふ、まぁな!」 


 どうだと言わんばかりに胸を張り。

 腕を組みながら偉そうにのけぞるエデン。





 偉そうにのけぞるエデンに可愛いらしい少女がてくてくと近づいてくる。




「お姉ちゃんも隙だらけだよ?」


 そう少女が言うと目には見えないが何かが迫ってくるのをエデンは感じた。





「ワシの悪い癖がでたのぅ」


 エデンは迫ってくる何かをかわして距離をとる。




「凄い!サリーの攻撃をかわせるなんて!」




「まぁな、ワシにかかれば余裕じゃ、余裕」


 いかん、また悪い癖が



「決めた!お姉ちゃんをシアンの家族にしてあげる」



「うん?お主の名前はサリーじゃないのか?」




「違うよ?サリーはね。私の家族だよ」




「サリーとやらはどこにおるんじゃ?」



「サリーはね、私にしか見えないの」



「できればワシも見てみたいのぅ」



「うん!いいよ。じゃあお姉ちゃんも私の仲間にしてあげるね。そうしたらきっと見えるようになるから」



「仲間?」



「サリー、お姉ちゃんを仲間にしてあげて」


 また何かの気配を感じた。



 その気配が近づいてくるとエデンの体は後ろに吹き飛ばされる。


 地面に叩きつけられるもすぐに立ち上がるエデン。



「仲間にするんじゃなかったのか?」



「するよ?だからお姉ちゃんを殺さないと」



「それは勘弁じゃな」


 エデンは立ち上がりながら目に力を込める。




「仲間にはならずにサリーとやらを見るとしよう」

 そうして目に神の気  神気(しんき) を集める。


 神眼!



「ほぅ、想像よりも不気味じゃのぅ」


 神眼を通して見えたのは長身で指が刃のようになっている不気味女だった。



「へぇ、お姉ちゃん。サリーが見えるんだぁ」



「あぁ、見えたから仲間にするのはやめてくれるか?できればお主のような子を殺したくない」



「ううん、仲間にはするよ?それに、、、サリーの悪口を言った子は絶対許さない!」



「そうか、、、」

 そう言うとエデンの腕から電気が発生する。



 そして(てのひら)をサリーへと向ける。

 すると掌から巨大な雷が放たれた。




「サリー!」

 その雷はサリーを一瞬で消しとばした。

 それでも勢いは止まらずそのままシアンへと向かっていく。




「ヒュー!あれはやばいね」


 少年がそう呟くと体をシアンに向けて前傾姿勢をする。すると少年の姿がぶれた。


 そして、1秒もしない内にまた同じ場所に現れる。

 シアンと共に



「サリー、、、」



「落ち込むなってシアン。どうせすぐ復活するだろ?」


 少年があやすように言う。



「サリーを一撃で倒すなんて、、、絶対私のものにする」

 シアンは不気味な笑みを浮かべる。



「なんだ落ち込んでんじゃないのかよ。

 とりあえず俺はあの姉ちゃんと遊んでくるか」



 次の瞬間にはすでにエデンの近くに少年は移動していた。





「お主、なかなか速いのぅ」



「そうでしょー、次は僕と遊んでよ」




「あぁ、ちょっとだけ遊んでやる」

 エデンが掌を下に向けると少年を囲うように大きな岩が大量に出てきた。



 そしてエデンが拳を握るとその岩は少年に向かって集まり出した。



 大量の岩はぶつかり合い一つの大きな岩が誕生した。




「姉ちゃん、容赦ないなー。まぁ、その方が楽しいんだけどさ」


 違う位置へと少年は移動していた。




「ほぅ、あれをかわすか」


 あの岩はかわせる隙間なんてない。どうやらただ速いだけじゃないようじゃのぅ。



 エデンはさっき出来た巨大な岩を少年に向けて投げる。



 だが少年には当たらない。



「姉ちゃん、無茶苦茶だね」


 余程の自信があるのか少年は笑顔で語りかけてくる。




 エデンは掌に風を集めて掌に風の渦を作ると少年に向けて駆け出す。



「いいねーいいねー」


 エデンが肉弾戦を仕掛けるも少年にことごとくかわされてしまう。


攻防の最中、エデンは左手から閃光を放ち少年の目を奪う。



「ふんっ!」

 そしてもう片方の手からは先ほど作った風の渦を放つ。

 風の渦は槍のように少年の頭を貫こうとする。




「ふ〜、危なかった〜」


 だが風の渦が少年の頭を貫くことはなかった。




 おかしいのぅ、あれをかわせるわけ、、


さっきから何かおかしいのぅ、、ときどき体が思うように動かん


「どんな攻撃も僕には無駄だよ」




「それはどうかな?」


そう言うとエデンは雨雲を発生させる



そして弾丸のような勢いの雨が少年に降り注ぐ。



さらにエデンが手を回すと雨雲が渦状になり台風に変わる。


少年を台風の中心に閉じ込めると台風から雷を発生させる。


そして台風の中心に炎を集めると大爆発が起きる。



「だ〜か〜ら〜、どんな攻撃も無駄だってば」



少年は何事もなかったように別の場所に立っていた。



「なんたって僕は時間を操ることができるんだから」




「時間を操る、、、そんな事ワシに教えていいのか?」




「別にいいでしょ、わかったところでどうしようもないんだし」



「お主、ワシを舐めておるな?」

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