第1話「創造のドラゴン」
初めて書いた作品なのでとりあえず読んでみてください。
「創造のドラゴン」
「俺の…体が…変になってる〜⁉︎」
俺は今、人生最大の衝撃を受けている、こんなこと後にも先にも起こらないだろう。
誰にも信じてもらえないだろうけど俺の体はモンスターになっていたんだ。
俺の頭の方が変になったと思った人もいるかもしれないけど、頭がおかしくなったんじゃない。
なんで俺がこんな目に、、、あれは…そう、朝のことだった。
〜朝〜
「ふぁ〜、冬は布団から出たくねぇ〜、どうにか学校サボれねぇかな〜」
冬は家から出たくない、もっと言えば布団からさえも出たくないのに学校に行かないといけないと思うと毎朝、どうすればサボれるか考えちまう。
結局、上手いズル休みの理由が思いつかくて仕方なくギリギリまで布団の中にいることで妥協することが毎朝の恒例きなっている。
「お兄ちゃーん、早く起きてよー!遅刻するよー」
耳元でアラームよりもうるさく起こしてくる茶髪ツインテールの美少女は俺の一つ下の妹の久遠日向だ。
日向は俺と同じ高校に通っている。そして朝に弱い俺を毎朝叩き起こして高校に連れて行く役目を母さんから頼まれている。
「頼む、せめてあと五分は寝かせてくれ」
「それで昨日遅刻したからダメ!昨日みたいに狭山先生に怒られちゃうよ」
「うっ…それは…やばそうだな…」
昨日の朝、ジャンピング土下座を決めて謝ったのに、きつく叱られたのを思い出す。
「でしょ!わかったらさっさと支度して」
サボったらサボったで面倒くさいことになりそうだから仕方なく支度をしてリビングに行く。
「やっと起きたの陵、次からは日向ちゃんに起こしてもらう前に起きるようにしなさい。もうゆっくりご飯食べる時間ないでしょ?このおにぎり持って行きなさい」
「おう、ありがと母さん」
「陵!起きるのがいつも遅いが夜更かしでもしてるのか?わかったぞ!あれかエロいのでも見てたのか?」
「ちげーよ!親父!」
茶髪ロングで優しそうな笑顔を浮かべている美人が母さんの久遠千紗。それと、逞しい体格をした髭の生えたおっさんが親父の久遠陵介だ。
「お兄ちゃーん!早く行かないと遅刻するよー!
行ってきまーす」
そう言って家を飛び出した日向についていく。
「じゃあ、行ってくるわ〜」
「気をつけて行ってくるのよ」
「日向ちゃーん!変な男に気をつけてねぇー、陵!日向ちゃんを守れよ」
「はいはい、わかったよ」
「お兄ちゃん、もうちょっと早く起きる努力してよ」
「朝寒いしさーそれに最近、面白い漫画見つけちゃてさーそれ見てたら止まらなくて寝不足になっちゃて、ファンタジー系なんだけどさ、日向も見るか?」
「みるみる!じゃあ帰ったら貸してね!」
「おう、いいぞ」
そんないつも通りの会話をしながら、学校に向かっていると突然、変な音が聞こえてきた。
「ねぇ、お兄ちゃんなんか聞こえない?」
「ああ、なんの音だろうな」
街中で聞くことがない音なので気になっていると、不意に視線の中に奇妙なものが見えた、景色が歪んで見えてそこから静電気みたいなのが出てきている、まるで空間が歪んでいるようだった。
「なんだあれ?ちょっと近くに行ってみよーぜ」
「お兄ちゃん、近づかない方がいいよ、危ないよ」
今考えれば、日向言う通りに近づかなければ良かったんだ、でもあの時の俺は、あの空間の歪みみたいなものに抑えきれない好奇心を持っていた。
「どうなってんだこれ?」
-ピカッー!-
空間の歪みに指が触れた瞬間、視界いっぱいに広がる光に包まれて俺の意識はブラックアウトした。
「お兄ちゃーん!!」
眩い閃光が光った後その場には日向だけが残っていた。
〜謎の森〜
「うっ、どこだ⁈ここ」
背中の痛みで目を覚ました、多分、硬い地面でずっと寝ていたからだろう。それよりもどこだここ⁉︎森?やばいパニックになりそうだ、ていうかもうパニックだ!
「よし、一旦整理して落ち着こう」
まず、学校に向かう途中、変な音が聞こえて、変な空間があってそれに触れた瞬間光に包まれて今に至る。
「うん、整理したらより分からなくなったなぁ」
これからどうしようか…森の中で下手に動くと危険な気がするしけどずっと居ても解決しない。
しばらく悩んだ末に俺はとりあえず森の中を進むことにした。
「よし、とりあえず周囲が安全かどうかだけ確認してみるか」
そうしてしばらく歩いていると何が視界をサッと遮り草むらに隠れた。
「なんだあのうさぎ、見たことないな」
観察してみると、うさぎみたいだけど可愛さのかけらもなく、俺の知っているうさぎより体が一回り大きくて鋭い歯を持った明らかに凶暴そうなうさぎがいた。
「あれはやばいな、見つかったら普通に殺されそうだ。離れよっと」
-パキッ!-
危険と判断して、その場から離れようとうさぎの方を向きながら、後ずさると不運にも枝を踏んでしまった。
やばいと思い、気づかないでいてくれと祈りながらうさぎの方を見るとうさぎとばっちり目が合った、一瞬お互い停止したあと、
「ぎゃう〜うぉー!」
見た目通りの凶暴な叫び声を上げながら、うさぎがこっちに向かってきた。
「うわぁーー!!」
俺は慌てて駆け出した、それでも徐々に俺の体力もうさぎとの距離もなくなっていき、体力を限界まで使い果たした俺は、足がもつれて地面に体を叩きつけた。
全速力で地面に体を叩きつけて激痛が走ったが、そんなことどうでもいいぐらいに、あのうさぎへの恐怖が俺を襲っていた。
「ぎゃうぉー!」
うさぎが俺に飛びかかってきて、俺はこんな風に死にたくない、どうにかならないかと思いながら、けど助かる道が思い浮かばず、死ぬんだと直感でわかってしまった。
そう諦めて目を閉じた瞬間、うさぎの声が突然消えた。
混乱していた俺は、奇跡的に助かったんじゃないかと思ったが、うさぎが消えた瞬間聞こえたベチャていう音、そしてその音のした方にあるさっきのうさぎであったであろう肉塊を見て、それに俺の目の前にいる多分あの肉塊を生み出した張本人であろう、全長3メートルくらいの鬼を見てそんな希望は一瞬でなくなった。
凶暴なうさぎならまだしも、現実には絶対にいるはずのない化け物を目の前にして、俺はあまりにも現実離れしたことが連続で来すぎて、逆にさっきまでの混乱はどこに行ったのかというほど妙に落ち着いていた。
強靭な筋肉に包まれ、爪は鋭く、牙が生えている、ヤクザでさえちびりそうな顔をした鬼が拳を振り上げていた、そしてその拳は俺の胸に向かって振り下ろされた。
「グァッ、こんな…死に方って…ありかよ…」
振り下ろされた拳は俺の胸を貫いていた。
あまりに理不尽なことの連続に絶望しながら、胸を貫かれた激痛によって俺は意識を失った。
〜数時間後〜
「俺の…体が…変になってる〜⁉︎」
こういう経緯で今に至る。
俺の頭がおかしくなったんじゃないと分かってもらえただろう。おかしいのは俺に降りかかってきた災難の方だ。
「おい、お主、体の調子はどうじゃ?」
「うん?色々変わりすぎているけど調子は悪くないかな?って………」
あまりに驚きすぎて声すらでなかった
「えぇえーーー!お前いつからそこに!ていうか誰?!」
「お前とは誰に向かって言っておる!わしの名前はエデンじゃ。気軽にエデン様と呼ぶと良いぞ。それに声のボリュームがデカすぎじゃ、うるさくてかなわん」
いつの間にか話しかけてきたのは、オバサンみたいな喋り方をする、綺麗な黒髪に、透き通るような白い肌で金色の目を持つ美少女だった。
そして、なんていうか、絶対に普通の少女じゃないと確信を持てるぐらいに彼女からはふわっとした表現しかできないが何かオーラのようなものを感じた。
それにこんな化け物のいる森にいる少女なんて絶対に普通じゃねぇ
「へぇー、エデンって言うのか、、って名前なんてどうでも良いんだよ!お前は一体何者なんだよ」
「はぁ、本当にうるさいのぅ。今から全部わしが説明してやるから。少しは落ち着け。」
次回 第2話「エデン」