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異能戦線 −宝石の四戦士編−  作者: 青色蛍光ペン
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8 ブレイン

「終わりだ!」


この戦いの終止符を打とうと、大剣を振り下ろす蒼神だが、五色もまた、この戦いに終止符を打とうとしていた。五色の首に付けていた「ある道具」が発光する。発光とは言っても、とてつもない光の量だ。圧力を感じる程の眩しさを放ったそれは、自身の出力に耐えきれずにパリン、と爆ぜる。


「ぐあぁっ!」


それをもろに見た蒼神の攻撃は見事に逸れ、左目でたまらず目を抑える。


「スタングレネード…!?」


とっさに思ったのはそれだったが、この異能力者に限ってそんな本格的な物を用意するはずもない。


「豆電球だよ。懐中電灯と違って、周囲一面に光をばらまけるし、持ち運びやすい。まぁ、一回きりで壊れちゃうんだけどね。一回しか使えないからこそ、キミに背後を許して隙を作った」


偽物の隙にかかったようにしてこちらも偽物の隙を作る。裏をかいたように回り込んできた蒼神だったが、五色はさらにその裏をかいたのだ。


「…目が…、見えない…!」


「そりゃそうさ。直視だもん。…あっちの異能力者も結構距離あるけど効いてるみたいだしね」


そう言って隼人の方を向くが、隼人にはそれが見えていない。味方にも伝えていない不意打ちだったせいで、戦いを凝視していた隼人もその光をもろに受けたのだ。


「じゃ、これで終わりだ」


そう短く言い放つと、ハサミを思い切り横に振る。鈍い音が鳴り響き、蒼神が吹き飛ばされる。ハサミは閉じている状態なため、完全に打撃寄りの一撃だったが、元から五色は彼らを殺すつもりはなかった。


「じゃ、行くよ」


元の大きさに戻したハサミをポケットの中に突っ込みながら帰ってくる五色。その頃には隼人の目も回復しており、先程負ったダメージも幾分かマシにはなっている。


「行く…って、どこにだよ」


「これ以上キミを一人で行動させる訳にはいかなくなってね。まぁいいからついて来なよ」


言われるがままについて行き、着いた先はまたしても人通りの少ない通りの奥にある施設。まさか、と思って隼人は五色に声をかける。


「研究施設か…?」


「そう。あ、勘違いしないでよ? ボクらトリニティはパラレルの敵対勢力だ。こっちは人命救助を始めとして、医学関係の研究が進められている」


「…それを聞いて安心はしたが、こんな場所に連れてきて何する気だ?」


「ま、悪いようにはしないさ」


意味ありげな言葉を残しつつも、入り口をくぐると、目の前には広い空間が広がっていた。狭い通路に小部屋に通じる扉がいくつもあったパラレルとは正反対で、広大な部屋に機材が散乱している。


「とにかく、キミにはブレインに会ってもらう」


「待て、話が急すぎて何がなんだかよく分からないんだが、もう少し詳しい説明が欲しい」


「残念ながらそう言う訳にはいかない。あまりにも時間が無いんだよ」


話しながら機材の間を縫って進んで行き、ちょうど部屋の真ん中辺りにたどり着くと、一人の中年男性がそこにいた。汚れ一つついていない白衣で、安っぽい眼鏡をかけている」


「おかえり、五色君。どうやら任務は完了したみたいだな」


「ま、これぐらいはね」


「流石五色君だ。そして、君が黒崎君かな?」


「え、あ、はい」


話の矛先が急に移り、焦ってよく分からない返事になってしまった。


「さて、黒崎君をここに連れてきて貰った理由だが、パラレルの連中は、君の異能力を欲している。それは知っているだろう?」


「ああ。正確には白咲天音の異能力だかな」


「そうだな、そっちの方が正しいか。まぁ構わない。単刀直入に奴らの計画の根本を話すと、あのコードδという青年に全国の異能力者の異能力を集める。すると、異能力を集めれば集めるほど、それを扱うためにコードδの脳は活性化する。多ければ多いほど、だ。脳が活性化すればもちろん頭の回転は速くなる。記憶力も増えるだろうし、下手すれば運動神経にも影響があるかもしれない」


「…あんな奴を超人にして何がしたんだ、パラレルの連中は」


「まぁ、話は最後まで聞いた方がいい。確かに彼はこの研究が進むと間違いなく超人になる。最終段階にまで到達すると国だって滅ぼせるレベルだ。だが、国なんか奴らにとってはどうでもいい。奴らは、その活性化した『脳』そのものに興味がある」


「脳…?」


「そうだ、脳だけだ。奴らは、異能力を集約したコードδを最終的には殺し、その脳だけを保存し、それを使ってスーパーコンピュータでも作ろうとしているのではと俺は見ている」


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