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異能戦線 −宝石の四戦士編−  作者: 青色蛍光ペン
19/19

19 そして、彼と彼と四人は

「そして、俺たちは訓練を積んで今に当たる。簡潔に話すとこんな所だな」


蒼神が話し終えると共に、深い沈黙が辺りを覆う。確かに隼人がこの立場だったら、間違いなく彼らと同じ事をしていただろう。だが、今は違う。隼人には、いや、彼らにも知識がある。それを踏まえながら隼人は口を開く。


「十河雪が能力継承の被害に遭ったって可能性は…無いのか?」


「それは無いんじゃないかな」


「なに?」


意外な事に、そう告げたのは五色だ。彼は間違いなく隼人と同じ事を考えているものだと思っていたのだが。


「深い理由は無いよ。ただ、もし奴が再生促進の異能力を継承されていたとしたら、今回も前回も、黒崎クンが倒せる相手では無いよ。もちろん、ボクだって敵わない」


「なんで継承しないんだよ。さっさと継承した方がコードδは強くなるし、計画の完成にも近づくんだろ?」


「まぁ、彼ら四人を駒として使うため、というのが大きな理由だろう。もし気づかれたら彼らは裏切るだろうし、気づかれない、というのも難しい」


「なるほどな…」


「まぁ、もし四人が裏切るようなら、間違いなくコードδの体を回収した直後にでも継承を始めるかもしれないけどね」


「そ、それは困ります!」


慌てて叫ぶ風春を一瞥すると、それまでと全く変わらない口調で五色は続ける。


「でも、トリニティの医療技術を使えば、能力継承で損傷した脳を治すこともできる。まぁつまり、キミ達が裏切っても裏切らなくても、十河雪の体さえあれば近いうちに目を覚まさせることができるってことだよ」


「それは本当か…!」


「ああ。本当だよ。現に、黒崎クンの友達も体を取り戻せれば目を覚まさせる事ができる。それと同じことがブレインにできないはずはない。多分ね」


それを聞き、四人は相談を始める。それはすぐに終わり、トリニティに協力する形で話がまとまったようだ。


「で、私たちはどうしたらいいの?」


問いかける紅原に、まるでこうなる事を予期していたかのように五色が言葉を返す。


「うん、そうだね。じゃあ一つだけ頼みがあるんだけど、キミ達にはまず十河雪の体と同時に、白咲天音の体も一緒にトリニティの研究施設に持って来て欲しい。それでキミ達を仲間に迎え入れよう」


「分かった。三時間後には持って行けると思う」


話は終わり、そこで解散となったが、隼人が地下研究施設から出る途中不気味に思ったのは、その施設には人が一人もいなかった事である。そしてトリニティの施設に戻って時間は夜明け近く。椅子に座ってじっと待つブレイン。そしてソロ前で黙って立つ五色と隼人。誰も何も話さない。ブレインにとってはパラレルの計画の阻害、及び戦力の低下、五色にとってもそれは同じく。そして隼人にとっては、白咲を救い出せるというそれぞれの目的がかかっているのだ。軽口一つ叩かず、ただ黙って四人を待つ。


「来たか」


短く言い放ったブレインのその言葉と共に、メインエントランスの扉が開く。だが、そこに現れた四人は、白咲の体はおろか、十河の体すら持っていなかった。


「お、おい、どうなってる!?」


思わず叫ぶ隼人だが、五色はそれを手で制す。それを確認して、蒼神が口を開く。


「あそこには、何も残っていなかった。侵入者を撃退するトラップ以外には、何も。配備されていた特殊部隊も、コンピュータ内の情報も、…白咲天音の体も、雪の体もだ…!」


悔しそうにうつむく風春の顔、ぐっと手を握りしめる黄山、そして何よりも、目元に涙が溜まる紅原の表情が、それを事実だと物語っていた。


「くそっ…、なんだよ、まるで全部分かってたみたいじゃねぇかよ…!」


「いや、分かってたんだ。パラレルのボスは。初めから、あくまでもあの拠点は、本当に囮のためだけに使うつもりだったんだ」


さらりと、いつもと変わらない口調で話す五色だが、その手はぎゅっと握りしめられている。彼は彼なりにこのミッションに何かしらの目的があったのだろう。


「今回はあっちの方が上、だったか」


ま、仕方ないか、と頷くブレインに、思わず隼人は感情的になる。


「おい、それどういう事だ。あいつらは十河雪を、俺は白咲を失ったんだぞ!? 分かってんのかよ!」


「ああ、分かっている。だけどこれで戦力は揃った。次は、次こそは、必ず彼女ら二人を連れ戻せるように私が作戦を立てよう。だから今回ばかりは、許せ…」


「なっ…」


普段飄々としているブレインが真剣に謝っている姿なんて初めて見た。それだけこの作戦には元から成功の余地がなく、それだけ隼人達の気持ちも分かってくれていた、という事だ。少なくとも隼人はそう考える。


「…分かった。次だな。いや、もし次の作戦が駄目だったとしても、それを生かしてその次、必ず白咲を助ける…!」


こうして、隼人の決意は改めて固まり、トリニティの戦力もかなり増幅し、パラレルを崩す準備は整いつつある。だが、その時はもう少し先の話となる。隼人の物語はまだ動き始めたばかりなのだ。

これにて「異能戦線 宝石の四戦士編」は簡潔です。読んでくださった方々、本当にありがとうございました! そして、薄い内容、拙い文才、申し訳ありませんでした。初めてのバトル物ジャンルでしたが、これが思った以上に難しく、大変分かりづらい表現も多々あったと思いますが、本当に申し訳ないと思っております。ですが、この続きの章もしっかり書き続けるつもりなので、もしまた見かけましたらまた読んでもらえますと幸いです。では、改めて、ありがとうございました!

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