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異能戦線 −宝石の四戦士編−  作者: 青色蛍光ペン
15/19

15 気流操作

「日本制圧…」


既に化け物のような強さを誇るコードδの姿を紅原は思い浮かべる。あれだけでも本気で暴れればかなりの被害になるだろうに、さらに5倍以上は強くなる。そう考えると、日本制圧、という言葉は紅原には納得できる。


「コードδが持っている炎の異能力と氷の異能力。詳細はボクには分からないけど、かなり強力なものだとボクは考えてる」


「強力な異能力を厳選してるから、とでも言いたいの?」


「もちろん。パラレルは強力な異能力を厳選してコードδに継承させている。ここで黒崎クンをわざわざこんなにリスクの高い罠にはめているのが何よりの証拠だよ」


「…でも待って。そうだとしたら、黒崎隼人はそんなにすごい異能力を持ってるって事? 風力操作ウィンドコントロールなんてそんなに珍しい異能力でもないわよ?」


「うん。風力操作は別に強力すぎる異能力でもないし、珍しいものでもない。でもね、黒崎クンのは違うんだ」


「風力操作じゃない…?」


「そう。黒崎クンの、いや、白咲天音の本当の異能力は気流操作エアコントロールだ」


「…聞いたこともない異能力ね。そんなにすごいものなの?」


「普通、風力操作は、既に吹いている自然の風の流れを少し変えたり、強弱を変えたりする。でも、既に吹いている風を全く逆方向に変更したりはできない。でも、気流操作は、空気を無理矢理動かして無理矢理風を作る。だから、どの方向にも、どんな強さの風を吹かせるのかも自由自在だ」


「…結局、何がそんなに凄いの? それだけじゃ、確かに風は自由でしょうけど、そんなに強そうには聞こえないわ」


「そうだね。本当に簡単に説明すると、屋内でも使える、という所が凄い。風力操作は、屋内では全く機能しない。だけど、空気を無理矢理動かす気流操作なら、屋内でも自由に風を吹かせる事ができる。そして、一番凄いのは、空気の圧縮だね」


「空気の圧縮…?」


「そう。黒崎クンは、まだそれに気づいてないみたいだけど、空気を圧縮して、壁を作れる」


「そんなことできるわけ…!」


「できるんだよ。ずっと維持するのは結構厳しいみたいだけど、一時的に銃弾すら弾くレベルの透明な壁を作り出せる」


「そんなに凄い異能力なのね…」


「そう。黒崎クンの異能力はそんなに凄い異能力って訳だよ。話を戻すと、その異能力をもしもコードδが持ってしまうと、並みの軍事力じゃ彼一人にすら敵わなくなる。だから、コードδにだけは、気流操作を渡してはいけない…」


その言葉に、紅原は何も言い返せない。話を聞く感じだと、このままだとコードδが日本を圧倒する力を手にしてしまう。正確にはその第一歩に過ぎないのだが、それでも大きな一歩になってしまう。紅原は別にそれに賛成しているわけではない。むしろ反対だ。抗えるものなら抗ってやりたい。彼女の正義感がそう訴えている。だがしかし、パラレルに抗うと言うことは…。


「できない…。できないよ…。やっぱり私はパラレルを裏切れない!」


「一体どんな脅しかけられてるか、どんな凄い報酬が待ってるのかは知らないけど、これ以上やるのならボクだって手加減はしない。まさか、あのクラッカー以外の仕掛けを全く作らずにのこのこと出てきた、なんて思われてはいないだろうね」


「くっ……!」


紅原の決意は固い。とても固い。だが、それを軽く一蹴してしまうほどの実力を五色は持っている。これまでの戦いでそれが分からない程紅原は馬鹿ではない。それならどうするべきか。紅原は考える。そして、すぐに方法を思いつく。


「…分かった。降参よ、降参。その代わり、一つ賭けをしない?」


「賭け…?」


「そう。まぁ、お互いに賭ける物なんか別にないんだけどね。私たちは降参して、コードδの手助けは少なくとも今日は絶対にしない。その代わり…」


「その代わり、なんだい?」


「その代わり、アンタも今日は黒崎隼人の手助けは辞めなさい」


「うん、構わない。と言うより、元からそのつもりさ」


「…へ?」


「そんな意外そうな顔しないでよ。うちの黒崎クンをあまり舐めないでほしい。ボクの助けなんかなくても、あんな気狂い一人ぐらいならすぐに倒してみせるさ。まぁ、キミ達に戦意が無いのは個人的に助かるよ。なにせもうほぼ道具がない」


「……まぁ、そう言うことなら良いのよ」


そして、お互いに地面に座り込み、五色はハサミの武器変創を解いてポケットに入れ、紅原はルビーを地面に置く。風春はまだ気絶していて目を覚まさないが、五色の話を聞く限り命に別状は無いし、すぐに起き上がるはずだ。その時には、自分からこの状況を説明しなければならない。


「そう言えば、蒼神と黄山はどうしたのよ」


「…もちろん、倒したよ」


「そうよねぇ…」


こんな超人相手に、今更歯向かっても勝ち目は無いし、彼らは悪者では無いのだ。むしろタチが悪いのはこちら側なのかもしれないのだ。そう思うと、攻撃するだけ無駄に感じる。だが、果たしてあの黒崎隼人はコードδのような化け物を倒せるのだろうか? そう思うからこそ賭けたのだ。この方法なら、パラレルを裏切る事なくあの二人の実力のみでこの後の結果を分けることができるのだから。

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