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異能戦線 −宝石の四戦士編−  作者: 青色蛍光ペン
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14 炎と氷の乱撃

「はぁ…、はぁ…、ここか」


地下10階。隼人は肩の傷を押さえながら廊下を歩き、ようやくメインコンピュータが置いてある大部屋へとたどり着く。扉を開き、中に入ると、先程の中庭よりも遥かに広い空間が広がっており、壁一面が電子機器で埋め尽くされている。


「…なんだこれは」


「よぉ、異能力者」


聞き覚えのある声に振り返ると、そこに立っていたのはコードδ。ドアを閉め、ゆっくりと隼人の元へと歩き、2メートル程の間隔を空けて立ち止まる。相変わらずの銀髪で、相変わらずの黒いぶかぶかのTシャツ姿だ。


「まるで、俺が来るのが分かってたみたいな口調だな。コードδ」


「あぁ、分かってたぜ? わざわざ情報をリークしてまでおびき寄せたんだからよ」


「…やっぱり罠だったか」


「ああ。お前らがここのコンピュータを叩き壊すんだかなんだか知らねぇが、そうはさせねぇ。と言えば雰囲気出るんだが、生憎俺はこんなガラクタには興味が無くてなぁ」


ニヤニヤと悪そうな笑みを浮かべながら話を続けるコードδだが、突然表情が変わる。そこから読み取れるものは殺意。それだけだった。


「お前の異能力だけが欲しいんだよ俺は」


そして、突然距離を詰め、隼人を蹴り飛ばす。急すぎて反応できなかった隼人は、なすすべなく部屋の中心部へと吹き飛ばされる。


「オラァッ!」


そしてコードδの声とともに、隼人が吹き飛ぶ先に氷壁が生成される。そこに背中をぶつけ、肺の空気が一気に押し出される。


「かはっ…!」


「まだまだぁっ!」


次に、コードδは右手から火球を生成すると、倒れている隼人に向かってそれを飛ばす。倒れている隼人はゴウ、と音を立てて近づく火球を察知すると、風を起こして起動を逸らし、ギリギリ直撃を免れる。


「前回は殺す気は無かったが、殺す気でいかねぇとまた負けかねねぇからなぁ!」


立ち上がる隼人に追い打ちをかけるように、左手を凍らせ始め、氷の粒を大量に生成し、それを飛ばす。無数に飛んでくる粒を前回と同じように風で飛ばし返すが、コードδはそれらを燃え盛る左手をかざして全て溶かしてしまう。


「時間稼ぎ、成功だぁ」


その言葉を聞いて隼人はハッとして上を向くと、巨大な氷の塊が生成されていた。


「まずい…!」


とっさに突風を巻き起こし、自分の体を左方向に飛ばす。そのまま壁に激突し、全身を痛みが走り抜ける。だが、あの氷の塊に潰されるよりかはマシだろう。


「チッ、ちょこまか動きやがって…」


「今度は…、俺の番だ!」


このまま守りに徹していてもじり貧だ。そう感じた隼人は、追い風を吹かせながらコードδに接近を試みる。


「それはもう食らわねぇ!」


ボッ、と音がし、隼人は足を止める。止めざるを得なかった。隼人の周りを囲むようにして、炎が生成されたのだ。隼人の背よりも高い炎に、動きを止められると同時に視界も奪われる。


「くそっ…、全部消し飛ばしてやる…!」


暴風を起こして炎を全て消し飛びそうと試みるが、ドスドス、と鈍い音と共に背中を走る痛みに異能力の発動を中断される。長さ20センチ程の氷の針が、隼人の背中に無数に突き刺さったのだ。


「ぐっ…」


そのせいか、十分に異能力を発動できず、炎の壁の一部分しか炎は消えなかった。仕方なく、そのわずかな隙間に身を投げる。受け身をとって起き上がると、そこにはコードδの姿はない。その代わり、背後でカシャン、とシャンデリアでも落ちてきたかのような音が鳴り響く。見ると、先程まで隼人が居た場所に氷の破片が散らばっている。巨大な氷の塊でも落としたのだろうか。


「…強い」


前回よりもはるかに強いコードδに、正直手も足も出ない。いや、きっと前回からこの強さはあったのだろう。どちらかといえば今回は容赦がない、と表現するのが適切か。


「よぉ、前よりも弱くなってんじゃねぇか?」


炎の壁が一気に言えたかと思うと、そこにはコードδが立っていた。ゆっくりと立ち上がる隼人にニヤニヤしながらそう言葉をかけ、容赦なく蹴り飛ばす。立つのもやっとの隼人はそれを避けれるはずもなく、なすすべなく蹴り飛ばされ、壁にぶつかってそのまま崩れ落ちる。


「体が…、動かねぇ…」


「もう終わりかぁ? つまらねぇなぁ」


ゆっくりと、壁にもたれかかるようにして座り込む隼人にコードδが近づく。今回ばかりは本当にまずい。そんな事は分かっているが、それでも体は動いてくれない。


「じゃ、トドメと行くぜ? 短い間だったし、特に楽しむこともできなかったが、あばよぉ!」


隼人の目の前にまで近づいたコードδがそう告げ、右手をあげて異能力を発動させる。氷がみるみるうちに生成されて行く。その形は綺麗な円錐。鋭く尖った先端が隼人の腹に狙いを定めている。これが飛んで来るのか。即死じゃないか。だが、指一本動かすのが限界なほど隼人は体力を消耗している。もはやその円錐を睨みつけることしかできない。目の前に巨大な壁でも急にできればなぁ、と最後にそう思う。しかし、隼人の異能力は風を起こすだけで、それ以外のことはできないのだ。


「…死ね」


そして、コードδが上げた手を振り下ろすと、その円錐は一気に隼人の腹めがけて飛んで来る。そして隼人の腹の目の前で、止まった。

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