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freedomfantasy  作者: 黒猫の手
それぞれの物語
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冒険の準備~セシリアと吹雪~

少し短いですが吹雪とセシリアの話です。



誤字脱字があれば報告ください。

冒険の準備~セシリアと吹雪~


今日はアリスちゃんと会ってから初めての別行動です。

師匠と私、アリスちゃんと華月さんが一緒に行動するそうです。

屋敷を出てから師匠とは会話も無く、街中を歩きます。

歩みを止めた場所は1件の少し古いお店でした。


「ではセシリア、貴方に課題を与えます。このお店の中で良い馬車を1台見繕ってください。金額は問いません。」


師匠から急に課題を出されました。

師匠は戦闘以外の技量や目利きなども私に教えてくれるので、今回も良い物を買う訓練だと思います。

店内を見ると色々な物が置いてあった。

見た目が古い壺から骨董品の様な剣、中にはボロボロの馬車の様な大きな物まであった。

今回は馬車の購入なのだが、色々な物があり、商品を物色しながら、奥へ進むと気になる物が3点あった。

1つは古ぼけた杖で装飾されておらず、1本の木を削って作った感じの物だが、杖の先端にある葉っぱが今もなお青々としているのがこの杖の年季の入った感じと違和感を感じる。

2つ目は指輪で、こちらも金属のリングと言う物で宝石類の装飾は無くシンプルな作りだが、リングの裏側には刻印がびっしりと刻まれており、ユエさんの扱う呪紋と同じ形の物も数か所見受けられたので、物凄い効果がある指輪だと思う。

3つ目は目的の馬車で、年代物らしく古い感じなのだが、ボロボロと言う訳ではなく、長い事、使われていた感じの物だった。

車輪部分や荷台の床部分の細かい所にも乗り易さを追求した細工が施されており、当時の技術者の技術力が見て取れる品だった。


「いらっしゃい。何をお探しで?」

「!」


商品に気を取られていて、店主らしい人物が近くに居る事にも気づかなく、声を掛けられてビックリしてしまった。

初老の男性が座っていた椅子から立ち上がり私の近くまで来る。


「あの~。馬車を探しに来たのですが少しこの2つの商品も気になってしまって」


私が指を差した商品を見て男性は「なるほど」と嬉しそうに呟いた。


「お嬢さんは、魔法使いかな?」


魔法使い。この年代の人たちは術士を一括りに魔法使いと呼ぶことが多く、私はその問いにこくりと頷いた。


「そうかそうか。お嬢さん、馬車を200000MGで購入したら杖と指輪をおまけに付けようかね。正直、杖と指輪は売れ残っていたからね」

「あの…私の一存では「でしたらその馬車購入しましょうか」」


私が少し男性の提案に戸惑っていると後ろから師匠が即決で購入の意思を見せた。


「私はこの子の保護者ですのでは私が支払います。こちらが200000MGですのでご確認を」


師匠は何の躊躇も無く、200000MGを支払い馬車を受け取って、私に杖と指輪を渡して来た。


「良い物を見つけた時は戸惑わずに即決で交渉を終わらせた方が良いときもあります。今回は馬車だけだと少し高い金額ですが、おまけの指輪と杖を考慮するとかなりの安い買い物です。」

「この二つはそんなに良い物何ですか?」


直感で選んだ物なので良い物と言う実感が無かったため、師匠に聞いてみた。


「そうね…まず両方ともユエ様の今の技量では作製は無理と言う事ね。杖の方に使われている木材は実物は初めて見るけれど間違いなく世界樹の一部を掘り出して作られているわね。宿っている魔力が感じるほどの力を感じるわ。指輪は貴方も見た刻印の方に価値があるのよ。ユエ様に見せれば復元できるかも知れないわね。」


師匠に言われてマジマジと受け取った二つのアイテムを見る。

師匠はその間に馬車を屋敷に運ぶ手配を行っていた。


「師匠、馬車は買ったのは良いのですけど、馬と御者はどうするのですか?」


少し疑問に思ったことを師匠に問いかけると、「それに関してはこちらに考えがあるので気にしないでください」と言い切られてしまった。


「それよりも、華月たちの方が上手くいったら、貴方にはまた頑張ってもらうことがあるのだからお願いね」


笑顔で言われたが、アリスちゃんたちの方というと人員の確保で私が出来ることなどあるのだろうか?と考えていると「ふふふ」と笑いながら師匠が私の背中を押す。


「ちょっと、師匠押さないでください」


同じ術師同士だとしても、師匠の方が力があるのか私は背中を師匠に押されて屋敷へ帰る羽目になった。



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