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freedomfantasy  作者: 黒猫の手
学園祭編
75/78

学園祭5

更新遅くなりました。


誤字脱字があれば報告ください。

学園祭二日目の朝。

屋台での担当は初日のみなので、今日明日は自由な時間が多い筈なのだが、俺はユキとしてのライブもあるので意外と時間が取れなかった。

初日はシークレットライブと言うことで本番ギリギリまで出番が無く、自由な時間が多かったが二日目からは午前と午後の2回のステージを行う事になっていた。

午前は11:00~12:00で午後は15:00~16:00と微妙な空き時間しか無く、本番前の打ち合わせを入れて12:30~14:00の間しか自由な時間は無かった。


午前のステージも満員と思えるほどの集客率を達成して亜里沙と沙羅は喜んでいたが俺は急いで控室としても使っている生徒会室へ向かった。


「ユキさん、自分の学校の学園祭を楽しんでも良いですけど、時間にはちゃんと戻ってきてくださいね」


走る俺の後ろから亜里沙の声が聞こえてきた。

3人の中で一番年下なのに、意外としっかり者の亜里沙は俺に注意だけをして手を振っていた。


ステージと言う事と走ったことでかなり、汗だくになったが、気にせずに着替えて待ち合わせをしているクラスの出し物の屋台へ向かう。


「花園君、そこまで急がなくても良いのに…大丈夫?」


息を切らして走ってきた俺を委員長は心配そうに声をかける。


「大丈夫…俺が楽しみで走って来たのだから、気にしないで。昼食まだなら今から行かない?」


息を整えつつ、昼食に誘うと委員長は「良いよ」と返事をしてくれたので彼女の手を取って昼食を取る場所へ向かう。

突然、手を握ったことで恥ずかしかったのか委員長は顔を真っ赤にして俯いているが俺も少し勢いで掴んだので少し恥ずかしかった。


昼食を終えた後、二人で色々な出し物を見て回ったが、委員長の楽しそうな顔を見て、少しドキドキして落ち着かない場面もあったが、楽しく時間を過ごしていたら、13時40分近くになっていた。


「そろそろ、14時になるから、戻ろうか?」


俺が委員長の手を取ってクラスの出し物へ向かおうとしたら、委員長が足を止めた。


「戻る前に花園君に話したいことがあるから少し場所を移動しない?」


委員長の言葉に頷いて、人気が無い教室へ向かった。

教室の中に入ると、委員長は教壇の前に向かって俺に背を向ける形で立つ。


10秒か20秒の沈黙だったが、独特の緊張感が漂う雰囲気が長い時間、沈黙しているように感じた。

喉が渇き、自然と心臓の鼓動が大きく聞こえる。

委員長が俺の方を向いて、俺の顔を見る。

その表情は意を決した風に感じるほど真剣で、経験を少ない俺でもこの後の展開が予想出来る。


このまま相手に言わせて良いのか?と自分の中でもう一人の自分が語りかけてくる感じで思いが浮かび上がる。

しかし、もし違ったらとの恐怖もあるが、俺が委員長の事が好きなのは変わらないのなら…っと俺も腹を括る。


「あの「ごめん、先に俺から言いたいことがあるんだ。」」


委員長の言葉を遮り、言葉を紡ぐ。


「俺は、委員長いや、宮野さんの事が好きです。返事はこれを見てから下さい。」




~~~ 宮野 朱美視点 ~~~~


まさかの花園君からの告白。

自分が告白しようと意を決して言おうとした言葉を遮って花園君の言った「好きです」の言葉が脳内でリフレインされる。

好きだった人に好きと言われた嬉しさと、告白の緊張感が抜けた安堵感で頭の中がぐるぐるして居たが、少し気になった点があった。

「返事はこれを見てから」どういう意味だろう。

目の前の花園君を見ると、何か箱と紙を私に渡す様な形で差し伸べている。

少し不安があったが、受け取って箱の中身を見ると雪の化粧を象ったジュエリーとこの後、行われるfloralGirlsのライブの関係者パスだった。


「えーっとこれは?」


戸惑いながら、聞き返すと花園君は説明をしてくれた。

まず、ジュエリーは花園君の家で好きな人は親が贈ってくれた自身の名を模したジュエリーを渡すようにしているとかで、オーダーメイドの世界で二つしか無い物だという。

二つは相手用と自分用、まぁペアルックである。

しかし、花園君の本気度が少し驚愕というかビックリだった。

私が高そうなジュエリーを前に固まっていると、花園君はそのジュエリーを私の首に下がっているペンダントの中心に取り付けた。

その作業を見ていると、花園君の手首にある腕輪にも同じ雪の結晶を模したジェリーが1つ付いていた。


「これで良いな。返事はそのライブを見た後で欲しいな。場所は生徒会室に来て。綾には俺から伝えとくから」


そう言われて、ライブの関係者パスを見る。

どうしてライブの後なのか?floralGirlsのファンだから?アイドルのファンだからとかで嫌いにはならないのだけどっと思いながら「わかったよ」と返事をする。

二人で教室を出て、クラスの出し物の前で別れた。

14時を少し過ぎたからなのか、花園君は少し慌てた様子で校舎内へ戻って行く。

その後ろ姿を見送ってから、もう一度、胸にあるペンダントを見た。

嬉しい、恥ずかしい、幸せな気持ちが一杯になる。

逆に関係者パスを見ると不安が過る。

何故その場の返事ではダメなのか?それが一番わからなかった。

好きと言った言葉に嘘はないと思うし、私の気持ちは伝えてないけ気付いてると思う。

ライブの後が怖い…けどこの気持ちを伝えないとダメだと思うから…逃げないようにしないと。


悶々と考え事をしているとライブ開始時間が迫っていたので私は会場へ向かった。

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