学園祭1
書き上がったので素早く更新します。
ラジオ出演と音楽番組の出演を終えて、ユキとしての仕事が一段落した後に、学園祭の準備と慌ただしく日々を過ごしているといつの間にか、学園祭を迎える事になった。
ラジオの評価もかなり良く、定期的に放送する予定である。
音楽番組の出演も好評でCDの売り上げとダウンロード数を一気に増えた。
仕事方面は順調で、マネージャーの柚子さんも忙しそうに動き回っている。
学校のほうでも、仕事の手伝いなどで親しくなった委員長から俺が早退した日の授業ノートを借りるなどでして、受けていない授業内容の細かい所も学べるようになったのは助かっている。
独学で勉強しても、先生個人の横道と言うか関連付けた話などを聞くことで内容を深く理解できるので効率が格段に上がっている。
「委員長、ノート返すね」
朝、宿泊組の中に居た委員長に借りていたノートを返す。
俺も宿泊組に含まれていたが家の家事などのあるので、辞退して普段より2時間早く登校することにした。
「花園くん、ありがとう。返すの今日じゃなくても良かったのに」
ノートを受け取りながら笑う委員長の顔に視線が釘付けにされた。
長い綺麗な黒髪で身長も俺と同じくらいのモデル体型で少し大きな目だが少しだけ吊り上がっているので可愛い感じより美人な印象を与えるが普段から委員長の仕事などで忙しそうな雰囲気と合わさた結果、怖そうな感じになるのだが、純粋に笑うと正直、見惚れてしまうレベルでやはり美人だ。
委員長の手伝いをしていると、委員長が俺に笑いかけてくる事が多くなり、俺しか知らない顔を見せていることに若干の優越感を持っているのだが…この気持ちは委員長が好きだからか?それとも美人だからなのか?は自分の中で判断できていない。
「借りっぱなしだと、委員長も勉強出来ないだろうし、早く返すに越したことは無いでしょ」
「そっか、別に気にしなくても良いけど。それより、午後、予定なかったら一緒に回らない?」
委員長からのお誘いに少し、胸がドキドキする。
「日頃の感謝を込めて奢りますよ」
無邪気な笑顔で俺を誘う委員長。
少し屈んで見上げる仕草とか本当にヤバい。先ほど美人だからか?委員長だからなのか?と何とか考えていたが普通に考えるとやはり、委員長が好きなんだと気づかされる。
「日頃の感謝はノートを頻繁に借りている俺の方もだから、奢りは無しで少し予定もあるけど16時までなら大丈夫だよ」
「本当に?じゃあ、模擬店が終わってから回ろうか」
委員長との会話は楽しい。幼馴染のみんなと居る感じに近いのに、一つ一つの仕草にドキドキさせられる。
けれど…この気持ちを委員長に伝えることは無いのだろうと思うと胸が苦しくなった。
大道具担当のクラスメイトが模擬店の最終チェックを行っていた。
俺たちの出店場所は中庭で噴水が見える位置なので、見晴らしは良い。
あとは、何処まで興味を持たせて引き付けるかが勝負だと思う。
「どんな感じ?」
「店自体の作りはokです。材料も全て設置した冷蔵庫内に保管してありますし、予備も調理室の冷蔵庫内にあります。」
委員長が準備をしているクラスメイトに開店前の確認を行っている。
手元のボードにクラスメイトから1つ1つの引き継ぎ内容を記入して、前半組のクラスメイトに説明をしている。
「みんな、質問は無い?」
「質問なのですが材料が切れたら俺たち調理班が取りに行くべきかな?それとも接客班に任せる?」
委員長の確認に調理班の男子生徒が尋ねた。
「どちらも2名の配置なので人員に余裕がある訳では無いけど、材料は調理班の方で運搬して、接客班が品切れの対応などに動いた方が良いね。一番良いのは調理班の方でしっかり、確認して早めに補充してくれたら助かるかな」
委員長の返答を聞き、俺と男子生徒は二人で更に細かい打ち合わせを行う。
「俺は料理が得意な方では無いから花園が残って、俺が持ってくるよ。それに運動部だから体力と力はあるから運ぶ方が楽だわ」
「了解。任せるから落とすなよ」
少し軽口を入れながらお互いの役割を決めた。
「学園祭は9時から開始するので、頑張って売り上げトップ目指すよ」
委員長の掛け声で各自、持ち場へ移動する。
しかし、接客班のメイド服を着た委員長は凛々しくも可愛かったなっと思う俺は重症だろうか…。




