表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
freedomfantasy  作者: 黒猫の手
学園祭編
68/78

狼の王討伐後

誤字、脱字がありましたら、ご報告下さい。

魔力切れを起こして倒れた俺と華月を吹雪が介抱して、残りのメンバーで狼の様子を見る。

ちなみに、スケルトン・ナイトは、俺の魔力が切れた瞬間に消えた。

存在を保つために俺の魔力を使っていたのだから、その元が無ければ消えるよね。

少し魔力が戻ったので、狼の元へ行こうと立ち上がると貧血のような眩暈が起きて倒れそうになったが、俺たちの元まで戻ってきたサラに受け止められる。


「ユエ、まだ休んでいた方が良いぞ」

「いや、狼の状態を見に行きたい」


サラの気遣いは嬉しいが、やはり狼の状態を自分の目で確認したかった。

肩を借りながら、狼が居た場所まで向かうと、クレーターの様な大穴が空いていた。

周りの木々が吹き飛ばされて、深々と大穴が開けられたこの場所の中心に狼の遺体が横たわっていた。

この威力でも原型を留めている狼の堅牢さは異様だった。

ルナが一生懸命、狼の解体を行っているが堅い毛皮、大きな体躯が解体の難易度を高めていた。


「ルナ、手伝うよ」


大穴の外から、ルナに声を掛ける。


「お姉ちゃん、大丈夫?」

「ナイフを入れる位なら問題ないよ」


サラに抱き抱えられて、穴の底へ向かう。

ルナと二人で解体をして素材をゲットしたがみんなの意見で、俺が全て受け取り、その素材で各自の装備を作ることになった。

しかし、魔王級の素材を使うとなるとレベルに不安があるので当分はお蔵入りである。


最後に狼の魔石を回収したが、これが不思議な形をしていた。

小さい魔石と大きな魔石が繋がった様な歪な形の魔石だった。

同種を食べていたので、魔石ごと食べて、取り込んだ結果の魔石だと思うが答えは出なかった。


「しかし、レアモンスターとは思ったが、めちゃくちゃ強かったな」


解体が終わり、地面に腰を下ろしたリョウが言う。

確かに異常な強さだった。

前回、戦ったアリの女王よりも強かった。


「2~3回は死を覚悟した」

「あれは戦う相手じゃないね」


ルナとアヤメが苦笑しながら語る。

最初に見た時から第六感が危険だと訴えていたらしいが、気付かれた段階で戦うしか無かったので腹は括ったが、仮想体験だとしても死の恐怖は精神的に参っていたらしい。


「もう疲れたから私はログアウトするね」


俺の言葉にみんなが頷いて、街へ向かった。


道中、討伐隊を引き連れた冒険者とアリスたちと出会って、狼の討伐を説明すると最初は信じて居なかったが、解体した素材を見せると納得して、この件をギルドへ報告するとの事だった。

間違いなく凶悪な狼の出現で今も、ギルドは討伐メンバーを募集しているとの事で、足の速い冒険者が討伐対象の死亡の確認と依頼の取り下げを伝える為に走っていった。


今回の様な緊急の依頼は報酬が特殊で、討伐に参加すると成功報酬が普通に貰えるが、緊急なこともあり、向かったら倒されていたと言うことも少なからずあるとの事で、その様な場合は、依頼は無効になるので失敗などのペナルティーは無く、依頼に参加した参加報酬は一応、ギルドへ依頼書を受理したPTへ払われるのである。

成功報酬よりはかなり少ないが、無報酬よりマシなので冒険者側も少しは納得している処置でもあるし、ギルド側としても、無報酬にすると緊急依頼の引き受け手が減ることや強制依頼にして冒険者の反感を買うのを抑える処置として上層部のほうでも必要経費として割り切っている。

緊急依頼で、俺たちの様に受けずに対象を倒した場合は、成功報酬も参加報酬も貰えず、ギルドランクにも反映されないが、素材の回収は認められているので、損する話ではなかった。

これで素材をギルド側に回収されると、危険な魔物を見かけて倒せる戦力があった場合でもギルドへ報告→依頼を作成→依頼を受ける→討伐へ向かうと無駄な手順が発生して被害が拡大する恐れがあるので、討伐対象の素材で危機が防げるのなら安い物だと考えるのは守り手としては当然の考えだと思う。

ただ、商人の様な損得勘定で動く欲深いギルドマスターだと難癖をつけて、素材を回収させないと言う話も過去には合ったという。


街に着いたら俺はみんなと別れて自宅兼店舗へ向かいログアウトを行う。


目を開ける暗い室内に少しだけ光が灯る。

狼の戦闘の疲れで少し深い息を吐いてから、光の発生場所を見ると俺の通信端末だった。

1通のメールが届いていた。


『ゆきちゃん、明日、急な仕事が入りました。ウェブラジオで3人で【freedomfantasy】のフリートークなどを行う、企画です。夜からなので、夕方頃に向かいに行きます』


明日は休みだと思ていたが、急に仕事が入るとか珍しいと思いながら、寝る準備をする。

ダンスの練習後の強敵とのバトルで自分では自覚は無かったが、かなり疲労が溜まっていたのか、気を抜いた瞬間に睡魔が襲ってきた。


明日に備える様に眠りにつく。ゲームを始めてから日々の生活が楽しくも忙しくなって来たが、この疲れも悪くはないなと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ